VOL.296「市民ファンドによる自然エネルギー事業」
一昨日、船井総研の東京丸の内オフィスで、
環境ビジネス勉強会「環境ビジネス発見塾」を開催した。
http://www.eco-webnet.com/study/detail.html?sid=233
これは、毎月1回、定期的に開催しているものである。
その時のテーマの1つが「市民ファンドによる自然エネルギー事業」で、
ゲスト講師として「環境エネルギー政策研究所」様に、
以下のような具体的事例をお話し頂いた。
1.出資総額18.5億円、3,300人が参加した
北海道・東北の市民出資による風力発電事業
2.総事業費6.5億円、162箇所に設置された
長野県の市民出資による太陽光発電事業
3.売電収入6,500万円/年(予定)
富山県の市民出資による小水力発電事業
今回はこの「市民ファンド型自然エネルギー事業」を簡単にお伝えしよう。
まず、どうやって市民から出資を集めるか?だが、
それは「匿名組合契約」に基づくものである。
これの特徴を以下に示す。
1.出資者は一般市民レベルであり、まず、組合員になる
2.出資者は事業者の資産担保価値で出資するのではなく、
その事業内容を判断しての出資になる
3.出資なので元本は保証されない
4.事業収益が上がった場合のみ、その配当が受けられる
5.つまり、出資形態はプロジェクトファイナンスに近い
6.1人当たり出資額は10〜50万円程度が一般的
7.出資金総額の平均は3〜5億円で、
少なければ1億円程度、多いのは30億円近いものもある
8.出資者の受け取り配当は1〜3%程度
9.契約年数は10〜15年間程度
10.事業者は出資金のすべてを当該事業に注ぎ込まなければいけない
11.事業収支で得た利益は出資者への配当を通じて課税される
なお、基本的なビジネスモデルであるが、
上記のように集めた資金で太陽光発電や風力発電を設置して、
発電した分は電力会社に販売するというものである。
過去、この形の事業は合計30件くらいあったが、
その1件あたりの発電能力の平均は1000〜2000kw相当。
換算すると、300〜500世帯分程度の電力量である。
なお、売電単価は10〜15年間保証であるから、
事業計画通り、あるいは、それ以上にしっかりと発電できれば、
当然利益は出る。
しかし、自然エネルギーなので、
その発電量はどうしても天候頼りのところが大きい。
また、出資者から見れば、
もちろん、銀行に預けるよりは金利(配当)は高いが、
元本保証はされないのでリスクは高いと言える。
儲かるから出資するというよりも、
「近くに出来るんだったら、是非、参加したい!」とか、
「地域に自然エネルギーを普及させたい!」とか、
そういう思いにより出資に動くのだろう。
なので、自ら住んでいる地域でこのような動きが進めば、
今まで以上に、関心を覚える一般市民は増えそうだ。
今後、電力会社による電力単価の値上げが急ピッチで進む。
発電・送電の分離も進む。
民間の電力事業参入が急増していく。
東電の国有化も現実味を帯びている。
海外に目を転じてみると、中東からも目が離せない。
いつ、「フォムルズ海峡封鎖!」のニュースが飛び込んできても
不思議ではない情勢だ。
もし、そうなったら、一時的にも石油が手に入らなくなる可能性もあり、
エネルギーが不安定にならざるを得ない。
エネルギーの自給自足を進めざるを得ない。
まさに、エネルギービジネス大変動である。




