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菊池 功の“想い”

完成されたものに興味はない。常に未知に挑む開拓者でありたい。

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<環境ビジネスコンサルティンググループ部長 統括責任者 執行役員>


■菊池 功


名古屋大学工学部原子核工学科卒業。
船井総研の環境ビジネスコンサルティンググループ部隊の統括部長。
日本最大級の環境ビジネス専門サイトeco−webnet.comの統括責任者でもある。
現在の顧客契約企業数は50社を超え、過去累計の顧客契約企業数は300社を超える。
またWEB上では3000社超の環境関連企業をネットワークしており、その行動範囲は北海道から九州に至るまで全国を網羅している。
コンサルティングのテーマは、企業診断・現状分析から、営業力強化・営業マン研修、企業化・組織化、最新のリサイクルビジネスモデル提案、事業提携・企業間タイアップ指導まで手掛けている。








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グラスと経済学



最近、「マーケティング」という言葉が脚光を浴びている。
「コンサルタント」という職種も学生に人気が高いらしい。
けれども、自分が学生の頃には、どちらの言葉も全くポピュラーではなかった。
大学時代に専攻していた原子核工学科の学生の就職先は、原子力発電所やエネルギー関連の省庁が大多数で、仕事の中身も研究職が王道。
自分も、大学に入った頃は物理で飯を食っていこうと考えていたけれど、学年が進むにつれて研究者を目指している周囲と自分とは人種が違うように思えてきた。

その頃、アルバイトでバーテンダーをやっていて、毎晩のようにカウンター越しに酒をサービスしながら、様々な業界のビジネスマンや経営者の話を聞いていた。
彼らの話は刺激的で、「株」のことも、ビジネスの仕組みもそこから自然に学んだ。
売上をアップさせるには、お客様を喜ばせるには何が必要かを考えているうちに、いつしか経営の根幹に携わる仕事がしてみたいと思うようになった。
コンサルティングやマーケティングに関する本を読んだわけでもないし、誰かに教えてもらったわけでもない。
初めからコンサルタントになりたかったのではなく、自分がやりたい仕事を追及したら、コンサルタントに辿り着いたということ。
業界や職種より先に、まず、自分が何をやりたいか、それが大事だった。







在りのまま



物理で飯を食うことは選択しなかったけれど、今でも物理が好きなことに変わりはない。
物理は、極めて右脳的な学問であるというのが持論。
大胆な仮説には、時としてロジックを超えたイメージや思いつきが重要になる。
ニュートンやアインシュタインが確立した学説の出発点は、大いなる「あてずっぽう」だったに違いない。
超一流の物理学者はすべて、右脳が発達していたと確信している。
ロジックやそれまでの常識、事例を捨てて、ありのままに事象を見つめることが物理には決定的に重要で、これはコンサルタントの本質にもつながる。
クライアントである企業や経営者と、すべての先入観を捨てて向き合うことから、コンサルティングは始まるのだ。
そういう意味では、物理を学んだことは現在の仕事にも生きていると言えるかもしれない。

船井総研での第一印象は、「会社らしくない会社」だ。
なんだかラフで、ワサワサしていて、それまでに訪問した外資系や企業系のコンサルティング会社とは、全く雰囲気が違っていた。
型にはまることが嫌いな自分には、ぴったりの場所のように思えた。
それから、15年以上が経過した今でも、最初の印象は変わらない。
船井総研と出会えたからこそ、現在の自分があると素直に思える。
他の会社だったら、とっくに別の道を歩んでいただろう。







2度目の就職



入社後、約10年間、食品、製薬、インテリアなど様々な業界へのコンサルティング活動を経験した。
業種についても、製造から卸、小売までくまなく手掛けてきた。
言わば、「船井総研の保守本流」とも言える領域で実績を積み重ねてきたわけだが、ある時、ふと「このままではつまらない」という思いが胸の中に芽生えた。
完成されたものに興味が湧かない。
それは、子供の頃から変わらない自分自身の性分。
これまでに経験したことのない業界、提案したことがない手法に挑戦したい。
そんな思いがどんどん膨らんで、もう一度、「自分は何をやりたいか」を真剣に考え始めた。
それまでのコンサルティング活動の中で漠然と感じていた、従来の生産や流通の仕組みでは近い将来限界が来るという危機感をつきつめていくと、「環境ビジネス」というテーマが見えてきた。

当時、勤務していた大阪から東京本社に駆け込んで、社長と専務に「環境ビジネスの立ち上げ」を直談判。
約40人の部下を率いるグループマネージャーという肩書きを返上して、たった一人の挑戦を認めて欲しいと迫った。
ビジネスとしてのポテンシャルは未知数だった当時、環境という世界で一から再出発したいという願いを即座に聞き入れてくれた経営陣に、心から感謝している。
環境ビジネスの立ち上げは、自分自身にとって2度目の就職とも言える重大な転機になった。
チャレンジできるという喜びで胸がいっぱいで、不安は全く感じなかった。







農耕型ビジネス



環境ビジネスという新しいフィールドで、真っ先に行ったことは環境サイトの立ち上げ。
環境問題に意欲的に取り組んでいる多種多様な企業の情報を公開して、それぞれのビジネスを応援することをサイトの目的に定めた。
すぐさま収益を上げることより、環境ビジネスのサポーターというスタンスで、環境関連企業のネットワークを築くこと、つまり「土づくり」に徹底的にこだわった。
今やそのサイトは、3,000社超の環境関連技術をデータベース化する日本最大級の環境関連ポータルサイトとして認知され、豊かな土壌からは環境ビジネス新規参入コンサルティングや環境ベンチャー育成支援コンサルティング、会員企業のビジネスマッチングなどの事業が次々と育っている。
セミナーを開催して、内容に関心を持った企業や経営者にアプローチするという船井総研の伝統的な手法とは異なる、インターネットによる新たなビジネススキームを構築できたことに達成感を味わっている。
現在も学生を対象に環境セミナーを開催しているが、今後は子供向けのイベントやセミナーなどを通じて、社会全体に環境意識や循環型社会の必要性を広めていきたい。

コンサルティングセールスという言葉が一般化してきたように、企業自身がコンサルティングの意味を考え、実践しようとする現代では、従来型のコンサルタントに未来はないと言えるかもしれない。
個人的には、従来のアドバイス産業に留まらず、自らが「商品」を創り出すことが、成長を続けるための課題だと考えている。