VOL147.「経済状況 これからの見通し」
私は、コンサルタントという仕事上、接するのは経営者の方々が大半である。
その日頃の活動の中で感じることは、
「まだ、今まで通りの景気回復を期待する経営者がこんなにも多いのか!?」
ということである。
例えば、製造業経営者の方々で、一番、楽観的なのは、
「今は本当に厳しい。でも、5〜6月までは在庫調整時期で生産が止まっているが、それを過ぎれば、需要が出て来て、工場の稼働率は上がってくるだろう。いつまでも、今のような生産ストップは続かないはず!」
と考えている方である。
そこまで行かなくても、
「今は底で、急回復はあり得ない!あと1〜2年はずっと底のまま。でも、2〜3年もすれば、ある程度の需要は復活していくだろう・・・」
と考えている経営者が一番多いかもしれない。
そこには、客観的な判断と言うよりは、「そうなって欲しい!」という希望・願望で一杯のようだ。
要するに、今まで通りの景気循環に“逆戻りしたい”ようなのだ。
しかし、私は、
「もう、逆戻りはない!
それどころか、今後、“永久的に”資本主義的な景気回復はない!」
と思っている。
そう、“永久的に!”である。
これを説明するには、いろいろな説明の仕方があるが、本ブログでは、極力、簡単に説明したい。
日本は典型的な加工貿易輸出国。
最大の買い手は、今も昔も、アメリカ。
ご存知のように、アメリカ国民は借金によって消費を増やしてきた。
収入はなくとも、借金できた。
収入はなくてもおカネを出してくれたのは、商業銀行や投資銀行、そして、その他のファンド系。
あらゆる借金を証券化して、まさに、おカネの“マジック”“トリック”、もっと言えば(言い過ぎかもしれないが)“まやかし”により、借金できた。
今、リーマンブラザーズを筆頭とした投資銀行はすべて消滅した。
ゴールドマンサックスは、商業銀行に鞍替えされた。
そして、その商業銀行もシティのように国有化されていく運命にある。
ファンド系も、縮小、あるいは、消滅だ。
もう、自由主義的な金融事業は出来ずに、規制の中での、ごく普通の銀行業務だけになっていく。
自由主義的な金融システムは崩壊した。
つまり、おカネの“マジック”“トリック”、もっと言えば(言い過ぎかもしれないが)“まやかし”は、もはや出来ない。
したがって、収入がないのに、おカネを出してくれるところはなくなった。
と言うことは、アメリカには、昔のような消費に回るおカネは出てこない。
いくら、オバマ政府がおカネを何十兆円も用意しても、砂漠の中に水を撒くようなもの。
実体経済の救済には数百兆円は必要で、さらに、金融経済の中に残存する“マジック”“トリック”“まやかし”を本当に消し去るには、数千兆円〜数京円(1京円=1万兆円)は必要だと言われている。
さらには、「国際基軸通貨としてのドル」の覇権もその地位を失っていかざるを得ない。
もう、アメリカ経済の資本主義的な復活はあり得ないと考えて良いだろう。
すると、世界は、最大の買い手(アメリカ)を失なったことになる。
アメリカが大量に買ってくれたことで、日本経済は輸出が増えた。
そして、輸出が増えたので、輸入も増やせた。
アメリカに次いで、日本も輸入が増えたことで、
中国・アジアのような国々も輸出が増えた。
そして、後進国といわれる国々も、次々に経済発展していった。
その肝心要のアメリカが、もう廃ってきている。
アメリカを中心とした経済循環が破綻しつつある。
アメリカを中心とした経済循環システムを資本主義と呼ぶ。
つまり、資本主義経済は破綻しつつある。
もう、資本主義的な経済復活はあり得ないようだ。
(これからは、日本主導の共生型低エネルギー経済、つまり、江戸時代型ビジネスモデルか・・・)
以上、かなり簡略化して説明させてもらった。
とにかく、
「もう、逆戻りはない!
それどころか、今後、“永久的に”資本主義的な景気回復はない!」
と思った方が良い。
さらに、今、私が感じていることは、以下の通り。
実は、今が、一番、景気の良い時である!
工場を例にすれば、設備の半分以上は余剰(不必要)である!
資産や設備を多く持った企業ほど、もっともがき苦しむ!
輸出は増えない!したがって、輸入も増えない!
景気が悪くなることはあっても、良くなることは“永久に”あり得ない!
企業売上・利益は減りまくる!
給料は減りまくる!
倒産企業が増えまくる!
失業者が増えまくる!
起業家(個人事業主)が急増する!
最低限、食べていく為に・・・、
一般家庭では家庭菜園(兼業農家)が急増する
企業では企業農園(企業が農園を保持することで社員の食の確保をする)が
始まっていく!
いわゆる、自給自足!
自治体も“経営危機”になるので、公務員が減り、公共サービスは劣化する
自分でやるしかなくなる⇒(例えば、ゴミ出しも、公共サービスではなくなる)
・・・・・・・・・・・・・・
とにかく、どこか(企業・自治体・政府等)に寄りかかって依存するのではなく、“自給自足的に自分でやるしかない!”のである。
本当の意味の自立が必要な時代になってきた。
しかし、実際には、たった1人では生きられないので、
理念・コンセプト・思いを共有できる人同志で自然発生的なネットワーク(共鳴型ビジネスネットワーク)を構築して、共生して何とか助け合っていかなければいけない。
実は、今が、一番、景気の良い時である!
この言葉が、今回のブログタイトル「経済状況 これからの見通し」を的確に言い表した言葉である。
コメント
資本主義的な景気回復はない状況が続く中、今後日本人が新たな道筋を切り開いて行くんじゃないかと思います。
おっしゃる様に、資源も無い国家でありながら江戸の町民文化(長屋文化か?)のように貧しい中にありながらも相互扶助の精神で豊か(精神的に)だったこと。
また戦後、焦土と化したところから、知恵と技術でこれまで発展してきたことを考えれば、日本人がその特質を持っているのではないかと思います。(再び高度成長するという意味ではなく)他にも色々理由はありますが。
我が沖縄県でも昔は結いまーるといって、相互扶助の精神があったのですが、再びその精神に帰る時がいよいよやってきたと考えています。
私も微力ながらも、新たな時代を切り拓く人間の一人でありたいと強く思っています。
菊池さんの新著読みました。これからも活躍期待しています。
投稿者: 垣花 | 2009年3月 3日 18:03