VOL199.「経営とは人を幸せにすることである」
先日、法政大学大学院教授である坂本光司先生の講演を聞いた。
約30万部以上も売れて、ベストセラーになっている「日本でいちばん大切にしたい会社」という本の著者でもある。
坂本教授は、自らの研究課題として、全国の優良企業を調査している。
その中から、自己資本比率や経常利益率等の経営数値を10年間以上優れた数字で残している企業を600社以上調査して、選定しているそうだ。
そして、企業規模や地域に囚われず、むしろ中小企業や田舎の企業に目を付けて、成功企業のポイントは何か?を分析しているそうだ。
つまり、中長期に渡って優秀な結果を残している企業にはどんな特徴があるのか?それを坂本流に徹底的に分析しているのである。
今回は、先日の講演で坂本教授が伝えた内容を以下に列挙する。
1.経営とは“人”を幸せにすることである
2.ここで言う“人”とは、5人の“人”である
(1)社員とその家族
(2)取引先の社員とその家族
(3)顧客
(4)地域住民
(5)株主
3.この5人の“人”に対しての優先順位は上記(1)〜(5)の番号の通りである
4.つまり、一番大切にすべきは社員であり、その家族である
次いで、取引先
5.出来る限り全社員の居場所を作り、各社員の個性が発揮できるようにしてあげること
6.誰か(取引先含む)を犠牲にするような経営はしてはいけない
7.自社に不平・不満を持った社員は一生懸命に働かない
8.自社に感動している社員こそが、顧客に感動を与えられる
優秀な社員がいなければ、良い顧客は作れない
9.10年で10億円ずつ稼ぐ企業よりも、100年で1億円ずつ稼ぐ企業の方が優良だ
10.経営は心であり、愛である
上記の内容は、まさに、“脱“資本主義の考えでもある。
おカネ第一主義、売上利益拡大主義、NO1主義、競争主義、・・・、
そういう資本主義的な考え方は否定している。
通常、大学教授と言うと、典型的な資本主義を唱えるのが普通かもしれない。
しかし、坂本教授は違った。
「企業規模は関係ない!」
「短期的に爆発的な売上利益UPは目指すべきでもない!」
「永続できることが大事だ!」
しかも、とにかく、自社社員を大事にすることこそが経営の目的であり、売上利益は結果に過ぎない・・・、と強調していた。
私自身、共感できるところが多々あった。
そして、講演の一番最後に・・・、
「農業が世界を守る!」
「日本の農業を世界は求めている!」
とも言っていた。
農業に対しても、そういう見方をしていた(期待している)ようだ。
この点についても、全く共感するところである。
一昔前のJR西日本の脱線事故、
昨年来のJALの破綻、
直近のトヨタのリコール問題、
・・・・・
日本を代表する巨大企業、資本主義で拡大してきた巨財企業が、
もがき苦しむ時代、
これまでの戦略からの転換を余儀なくされている時代、
エコノミー優先(経済性優先)時代が終わろうとしている。
これから、エコロジー優先(環境性優先)時代に移って行くのは間違いない。
エコロジー優先(環境性優先)の中で、“人”を活かす経営を目指す時代である。