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2012年11月26日

VOL.339「再生可能エネルギービジネス 現状と実態」

先週末、静岡県某市にある製造業の企業に行ってきた。
再生可能エネルギービジネスへの参入を検討しているので、
コンサルティングを依頼したいとのことだった。

広大でフラットな自社工場跡地で、日照も問題なく、送電線も近いので、
ソーラー事業をするには「持ってこい!」の場所だった。
来年3月までに申請受理されるかどうか確かに時期的には厳しいが、
準備だけはしていこうということになった。

ありがたいことに、再生可能エネルギービジネスに関して、
私の元にこのような相談は多い。

ところで、経産省の発表によると、
再生可能エネ固定価格買取制度で認定を受けた発電設備は全国で増え続けて、
7月に制度スタートして3か月後の9月末の時点で10万件を突破したようだ。
その発電能力を合計すると178万kwに達し原発1基分を上回る規模。
元々、経産省が2012年度の目標である250万kwに対して、
3か月間で早くも目標の70%に到達。

そこで、現時点で私が感じている
再生可能エネルギービジネスの実態をお伝えしよう。

太陽光メーカー側・販売会社側・施工会社側からは
「今ならば大丈夫!」「やった方が良い!」「早い方が良い!」
の積極営業が目立つので、敢えて、多少の辛口基調で以下に整理してみた。

1.遊休不動産を持つ大手企業が続々と新規参入している
2.太陽光機器メーカー・販売会社・設備会社は空前の忙しさである
3.金融業(銀行・保険・リース業界)も資金需要を狙い営業攻勢している
4.地方の中小企業も土地持ちや建屋持ちの地主は一攫千金を狙っている
5.とにかく、短期勝負型の考えで完全なバブル状態と言える
6.強引な営業、過剰なセールストークでクレームも散見される
7.知識・認識不足の上、誤った情報に惑わされている部分がある
8.買取単価は今が最高価格、下がることがあっても上がることはない
9.買取期間も今が最長、短くなることはあっても長くなることはない
10.2年目以降も間違いなく条件は厳しくなるだろう
11.更に、数年後以降になれば、スタート時点での条件が変わることがあり得る
12.単純な固定価格買取制度に基づく発電ビジネスはこれから3年間が勝負
13.安易な発電事業参入は大ケガを伴う!より計画的・戦略的に考えるべきである
14.10年以内での投資回収が必須である
15.数年後には、維持メンテナンスビジネス、
   及び、M&Aビジネスが出てくるだろう


さらに、事業者側(投資側)から見たリスクを以下に整理してみよう。

16.売り込み業者自身が良く分かっていない
17.業者の出す収支シュミレーションは間違いだらけの場合がある
18.パネル単価はとことん低単価になっている
19.想定日照時間を甘く見過ぎているケースがある
20.業者により造成ノウハウの差が激しい
21.業者により設置施工ノウハウの差が激しい
22.業者により系統連系のノウハウの差が激しい
23.電力会社が系統連系拒否をする可能性がある
24.電力会社との交渉ノウハウが必要
25.スムーズに申請受理されることはない
26.20年間固定価格での買い取り保証と考えてはいけない

以上、かなり客観的に事業リスクを整理してみた。


ところで、私の仕事は経営コンサルティングである。
したがって、メーカー発想でもなければ、販売会社発想でもない。
再生可能エネルギーを事業として考えた場合の
事業収支はどうなのか?リスクは何なのか?儲かるのか?
という視点で見ているつもりだ。
かつ、出来る限り、大きな視点でマクロに、客観的に見ているつもりだ。
特に、このビジネスの場合、2年や3年・5年の単位ではなく、
10年以上、20年の単位なので、より辛口で見なければいけない。

特に、最大のリスクは、日本政府がこの先20年間も安泰かどうか?である。
だから、上記26「20年間固定価格での買い取り保証と考えてはいけない」
を強調しておきたいと思う。

「リスクを客観的に理解して、しっかりと認識しておいて、
その上でそれをどうチャンスに変えるか?」

「リスクに対しては、それはないだろう・・・と遠ざけるのではなく、
ハッキリと明確に認識して認めて、
その上で逆にリスクをチャンスと捉えて、前に進めるものは進めていく!」

そう考えることが大事な考え方である。


2012年11月19日

VOL.338「衆議院解散!」

衆議院が解散された。

解散発表直後の読売新聞の政党別支持率電話調査によると、
自民党は26%でトップ、民主党が13%らしい。
一方、日本維新の会は3位の8%、太陽の党は5%で、
両党とも前回から落ち込んでいるようだ。

さらに、第三極の政党が連携することに「期待する」と答えたのは48%と
前回の52%から下がったらしい。
衆院選後の望ましい政権の枠組みについては、
「自民、公明、維新」16%、
「民主、自民、公明」15%、
「自民、公明」13%、
「民主中心」12%とそれぞれあまり大差がない。

まだまだこれからの動きで上記の数字は変わるだろうが、
政策の不一致を顧みず、合流を最優先した判断が批判を浴びて
第三極勢力は失速気味になっているようだ

さて、この2〜3年間、私の見方は一貫していてほとんど変わっていない。

以下に、2年半前の4月12日付の本ブログを掲載する。
(当時は鳩山政権の末期だった)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<以下、「菊池功ブログ」VOL.206の一部抜粋より>

おそらくこのまま行くと、夏の参院選は民主党の惨敗。
では、自民党が躍進するかと言うと、
一連の新党立ち上げ騒ぎが続けざまに起きて分党状態になり、
参院選での躍進はなさそうだ。
また、「みんなの党」や「立ち上がれ日本」等の第三極のどこかが
大きく成長するかと言うと、それも決め手となる党はないと言われている。

では、どこが出てくるか?

「どこも出てこない!」・・・・・

というのが私の意見だ。
これからの時期は、まさに群雄割拠の時代となるのだろう。
言い方を変えれば、「戦国時代」の到来だ。
しかも、その戦国様相は中央だけで繰り広げられるのではなく、
地方も含めて全国各地で繰り広げられるだろう。
もっと正確に言うと、
中央では絶対にまとまらず、
“地方発”の有力なリーダーが出現してきて、
まずは、地方を改革して、その流れが徐々に中央に伝播していく・・・、
そういう感じを受ける。

中央集権から地方分権へ
一極集中から地方分散へ
集中管理から拠点管理へ
トップダウンからボトムアップへ
強さから温かさへ
競争から共生へ
・・・・・

これは、政治の世界だけではなく、まさに経営の世界でも言えること。
個々を活かし、1人1人の個性を大事にしていく時代でもある。
この大きな流れは誰にも止められないだろう。

<2010年4月12日付 「菊池功ブログ」より>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これまでの混乱ぶりは序盤戦であり、これからが「混乱の本番」。

「混乱こそ、今の時代の正しい流れ」

このような言い方も、再三、本ブログで伝えている。

安定することは絶対にないし、
より混乱する方向に向けて、誰かが仕掛け、誰かが反応する。

今回、石原氏が国政に出ることでまさに混乱に拍車が掛かった。
そしてさらに、石原氏と橋下氏が合流したことで、
より一層、混乱に拍車が掛かるだろう。

だいたい、維新の会の議員公募選定委員長に竹中平蔵氏が抜擢されたことで、
維新の会はもはや怪しい。
それに、石原氏も統率者タイプではなく破壊者タイプ。

まあ、時代が生んだツーショットという感じを受ける。


さて、肝心の衆議院選の見通しだが、
どこが第一党で、第二党がどこで、第三党はどこで、・・・、
どこがどうなっても安定することはないことだけは確実。
2015年まで安定しないことだけは確実。

むしろ安定せずに、政治はドンドン混乱した方が良いと私は思っている。

ドンドン混乱して、その結果、過去の政治のアラが出て、
いろいろな政官財のしがらみや利権が暴かれていけば、
「えっ、そうだったのか!?」
というような事実が明らかになるだろう。

混乱せずに安定してしまうと、
昔の自民党時代のように裏に隠れて埋もれてしまう。

なので、ドンドン混乱した方が良いのである。

とにかく、安定せずに、ドンドン乱れて、政権が入れ替わり立ち替わることで、
過去の政治のアラが出ることが大事である。
不安定な方が良いのである。

したがって、どこが第一党か?第二党はどこか?というよりも、
どんな利権が暴かれていくのか?
アメリカとの密約があったのではないか?
政官財の過去のどんな内部状況が明らかになるのか?
そういう方に私自身は興味がある。

将来の為にも、良い世界を作る為にも、今は大混乱が必要なのである。

衆議院戦後もさらに乱れるのが必然である、そう思って私は見ている。


※ただし、その影響を受けてビジネスの世界も不安定になるが、
  これは「受けて立つ!」しかない。

2012年11月12日

VOL.337「アメリカ大統領選 オバマ再選!」

アメリカ大統領選でオバマが再選された。
これで、来年、アメリカが不況に陥るのは決定事項と言えそうだ。

昨年の議会で債務上限を14.3兆ドルから最高で2.4兆ドル
引き上げることが決まったが、それには条件があり、
上限引き上げ分だけ10年間で赤字削減をしなければいけない。

どのように削減するかの具体案を議会が承認しないと、
財政支出削減(予算カット)と増税(現在の減税打ち切り)が強行される。

その期限は今年年末なので、
来年早々にも予算を強制的に削減されてしまう可能性がある。

ちなみに、上院は民主党、下院は共和党がそれぞれ過半数を取っており、
いわゆる、絵に描いたような「ねじれ」現象なので、
今後もオバマのその舵取りは非常に難しいと言われている。

財政支出削減(予算カット)と増税(現在の減税打ち切り)、
この2つの事態は「財政の崖(がけ)」と呼ばれ、
有効な手が打たれなければアメリカ財政は急激に引き締めに転じて、
経済が再び不況に陥ってしまう。

特に、基幹作業である防衛業界。
オバマの再選で国防予算が削減される可能性が高まっているようだ。
早速、ボーイング社は防衛部門の管理職を30%削減し、
アメリカ国内の一部工場を閉鎖したり、
ロッキード社も1万人規模の従業員削減の計画があるらしい。

(まあ、もしそういう事態になれば、アメリカの大企業は容赦ない)

すると、日本のアメリカへの輸出は減少し、もちろん、円高にもなり、
確実に日本に影響が出る。

そして、結局、オバマ政権は引き続き借金を増大化して、
ドルの乱発をせざるを得なくなる・・・、
といういつものパターンになるのだろう。

その結果、考えられる最悪のケースはドルのデフォルトだ。
⇒ドルの「紙くず化」!

まあ、この手の話は今に始まったことではなく、
10年前から囁かれていたが、
「それが、いよいよかな・・・」という本当のその時期になってきた。

何があっても不思議ではない。
最悪があって当然だという意識でいた方が良い。

ヨーロッパも不安定、アメリカは上記の状態。
中国は国内問題でそれどころではない。
アジア新興国に至っては資金源の欧米がアウトになれば、
もちろん、完全アウト。

本ブログでも再三お伝えしているように、
やはり来年は相当厳しい年になりそうだ。


ただし、これをビジネス的に見た場合、間違って考えてはいけない!

確かに大不況の可能性が高いが、
それは冷たく凍り付いて何も動かなくなってお先真っ暗になることではない。

むしろ逆である。

そのアゲインストの風の中、
全く新しいビジネスの潮流が目覚める時であり、大きく飛躍できる時でもある。

それまでの時代の中心にあったビジネス(企業)が大きく崩れ出す一方で、
見向きもされなかったビジネス(企業)が表舞台に出るチャンスの時でもある。

要は、下克上だ。

これまで主要であった多くのビジネスの中から、
ピンポイントで全く新しいビジネスのネタが誕生するのである。

なので、本来、とても楽しみにしなければいけない。

そして、大事なことは、自社がその大きな流れを感じて、
新しいチャレンジをしてその流れに乗ることである。

大きな潮流が変化する時に一番してはいけないこと、
それはただ立ち尽くすこと。
棒立ちすること。

これを一番してはいけない。

もう一度言おう。

大きな潮流が変化する時に一番してはいけないこと、
それはただ立ち尽くすこと!
棒立ちすること!


したがって、
新しい方向性を見つけて、一歩でも二歩でも前へ進むことである。

攻めることである!

前に出るチャンスである。

2012年11月 5日

VOL.336「省エネ補助金」

今年の5月、
省エネ対策補助金としてBEMSの補助金制度が大々的に始まった。
しかし、今、その補助金制度導入の進捗が相当遅れてきている。

ちなみに、省エネビジネス関連の方々はもちろん知っていると思うが、
BEMSとは「Building Energy Management System」のこと。
ビル等の建物内で使用する電力使用量等を計測蓄積し、
導入拠点や遠隔での「見える化」を行い、
空調・照明設備等の接続機器の制御やデマンドピークを
抑制・制御するエネルギー管理システムのことである。
簡単に言えば、「エネルギー見える化」システムのこと。

この導入に関して、補助金を出そうというのが
経産省管轄のエネルギー管理システム導入促進事業で、
通称、BEMS補助金制度である。

当初の予定では、2年間での補助総額は300億円で補助事業数は約1万件。
したがって、単純に平均すると、月間400件程度の申請件数となる。

スタートしたのは今年の5月7日。
その2ヵ月後の7月上旬ごろの申請件数は約1,000件だったので、
ほぼ予定通りの件数だった。
しかし、8月頃から申請件数が減り出し、今では月間200件を切ってきている。
つまり、月間申請件数が目標件数の半分になっているのだ。
スタート時点こそ順調に見えたが、
6ヶ月たった今では、累計で目標対比70%程度となっている。

ところで、この補助金を受けるには、
認定企業の商品(システム)でなければいけない。
その認定企業数は23社。
(複数企業が共同で認定を受けているところもあるので、
正しくは、23社ではなく23グループ)

それら認定企業が現段階まで申請してきた案件を申請件数の高い順に並べると、
以下の通りとなる。
エナリス、日本IBM+イオンディライト、日立、
パナソニックESエンジニアリング、洸陽電機、東芝、
イーエムシー、大崎電気工業、三井情報、エービル、
ダイキン工業、ヴェリアラボラトリーズ、
NTTデータカスタマーサービス、アズビル、ユアテック、
日本ユニシス、オリックス、日本テクノ、九電工、
NTTファシリティーズ、富士通、日本IBM+エディオン、
日本IBM+日本電気

トップのエナリスだけで全体の30%を越え、上位3社で60%を占める。
認定企業により相当な差が開いていることが分かる。
要するに、導入が遅々として広がっていないのである。

理由は簡単。

エンドユーザーの本当のニーズからズレているからである。

通称「エネルギー見える化」の補助金なのだが
本当に省エネできるのかが「見えない」のである。
「見える化」システムにより
どれくらいのエネルギーを使ったかが細かく分かるわけだが、
それが分かっても何の対策もしなければ省エネにはならない。
細かく分かった上でしっかりと対策すれば、ほぼ確実に省エネできる。
まあ、当たり前の話だ。

企業の営業成績が瞬時で分かっても
何の対策もしなければ営業成績が向上することはないのと同じだ。

その対策を人間の節約意識に期待してもらっても困る、
というのが導入検討企業(エンドユーザー)の本音だ。
こういう厳しい経営環境下では直接的なメリットが欲しい。
意識向上させましょう!では間接的なのである。

その点、LEDの補助金等はすぐ満杯になってしまう。
それこそ直接的で分かりやすいからだ。

そこで、認定企業の多くは、
「見える化」システムと組み合わせて省エネ商品をセットにして、
人間の意識に依存しないように提案をしている。
例えば、機械的に制御する空調制御システムと組み合わせる方法である。

しかし、実は、その空調制御システム単独で導入した方が
投資回収が早いケースが多い。

つまり、補助金を取れるからと言って、
『「見える化」+「省エネ商品」』で組み合わせるよりも、
『「省エネ商品」単独』の方が投資回収が早いのである。

なので、「無理して補助金を取らなくても良いではないか」
ということになってしまう。
要するに、補助金を取る為の条件をクリアしようとすると、
費用が余分に掛かってしまい投資回収が遅くなるのである。

ハッキリ言って、頭デッカチの制度なのである。
「現場エンドユーザーの本当のニーズ」に対して、
完全には合致していないのである。
現場とズレているのである。

エンドユーザーにとって補助金はありがたい。
しかし、どうも痒いところに届いていないのである。

ここ数年、環境関連・省エネ関連の補助金は多くなってきて、
かなり良いものもあるが、
本当にマッチしているものは少ないようだ。

もっと現場に合った制度にして欲しいものである。






■菊池 功プロフィール

          菊池 功        環境ビジネス
コンサルティングを
ゼロから立ち上げた男!



株式会社船井総合研究所
執行役員
環境ビジネスコンサルティンググループ 部長
菊池 功(きくち いさお)

■株式会社船井総合研究所
 TEL:03-6212-2934
 FAX:03-6212-2943
 Mail:eco-webnet@eco-webnet.com



<出版書籍>
2011年12月16日発売!
『中小企業は「省エネ・節電ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!

『50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!』
50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!

『中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!


●船井総合研究所
コンサルティングメニュー






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