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2012年12月25日

VOL.343「安倍政権によりエネルギー政策・原発政策はどうなるのか?」

今年9月に民主党政権がまとめた革新的エネルギー・環境戦略において、
「原発は新増設しない」と明記していた。
その為、着工済みの3基は「許可済み」として建設続行を容認するが、
計画段階の9基は着工を認めない考えだった。

しかし、安倍政権では、
原発の再稼働だけでなく、新増設に対する判断を見直すようだ。
原子力規制委員会が来年夏に示す新しい安全基準は、
既存原発よりも高い安全性が求められるので、
国民の理解が得られやすいとのことらしい。
容認に転じる可能性が高い。
と言うか、原発政策を推し進めるのは間違いないだろう。

ところで、昨年、発電費用の調査を行う「コスト等検証委員会」
(委員長・石田内閣府副大臣)の発電方法別発電コストの試算結果によると、
以下の通りになっている。

1.石炭火力の発電コストは9.5〜9.7円/kwh
2.天然ガス火力は10.7〜11.1円/kwh
3.石油火力は20.8〜22.4円/kwh
4.水力は10.6円/kwh
5.原発の発電コストは8.9円/kwh以上
ちなみに、2004年時の試算では5.9円/kwh
(国からの研究開発費・立地対策費・廃炉・損害賠償費含めた為)
  賠償や事故処理等の総額がさらに増えると10.2円/kwhにもなる
6.風力は9.9〜17.3円/kwh
7.地熱は9.2〜11.6円/kwh
8.太陽光は33.4〜38.3円/kwh

上記を見て一目瞭然なのは、
国からの研究開発費・立地対策費・廃炉・損害賠償費含めた為に、
原発の発電コストが2004年当時の試算に比べると50%増となり、
他の発電方法と価格優位性が薄れてきていることである。
(さすがに、太陽光はまだまだ相当高いが・・・)

逆に言うと、国からの研究開発費・立地対策費・廃炉・損害賠償費等の
目に見えないソフト的なコストがそれほどまでに多いのである。
もちろん、原発関連の独立行政法人等のコストも含まれる。

この目に見えないソフト的なコストこそが、まさに、「利権」である。

ちなみに、このソフト的なコスト、
福島原発事故前の原発稼動時で簡単に計算すると、
年間約6000億円程度になる。
さらに、用地取得費用や設備費用、電力会社の運営経費等、
いわゆる、目に見えるコストは年間約1兆円。

つまり、原発関連で年間合計約1.6兆円が動いていたことになる。

利権を持っていた政治家や官僚、そして、大企業・研究者達から見れば、
この予算は復活させたいと思うのは当然なのだろう。


さて、いずれにしても、安倍政権では原発再稼動・新増設の動きが出てきて、
その結果、順次、再稼動されていくだろう。

しかし、いずれ再びトラブルに見舞われる可能性が高いと私は思っている。
そのトラブルとは、地震や津波といった天災も含むが、
設備・機器上のトラブル、管理・操作上の人的なトラブルも表に出てくるだろう。
一般の方々は、福島原発事故前と違い、原発に対して格段に見る目が厳しくなっている。
事故前であれば、隠されて放っておかれた機器的トラブルや人的トラブルが
放っておかれなくなる。
格段に見る目が厳しくなるからである。
「えっ?また、そんなことが?」
という声が上がりやすくなる。

今後、そのような日々のトラブルが散見されてきたり、
前述の利権構造ももっと明るみになるだろう。
さらには、福島事故による放射能汚染問題の本当のことが表に出てくるだろう。
これらは安倍政権を揺さぶる可能性も高いのではないか。

安倍政権により原発の再稼動・新増設推進されて、
一般の方々が本当に目覚める時が来ると思われる。

逆に言えば、そのように本当に目覚める為にも、
原発の再稼動・新増設推進が進む、

そう理解して良いと私は思っている。


ところで、現在の火力発電だが、実は能力の半分くらいしか発電できていない。
まだまだ、効率が最高ではないのである。

例えば、発電するには、
水を蒸気にして、その蒸気でタービンを回して発電しているが、
使った後の蒸気は冷却されるようになっている。
そして、その冷却には海水を使うのだが、
当然、その冷却に使われた海水は温度が上がる。

温度の上がった海水をそのまま海には戻せない。
海水温度が上がって生態系を崩すからである。

したがって、本来はもっと発電していきたいところだが、
冷却用の海水温度が上がり過ぎると、
発電を止めなければいけないのである。

これは一例であるが、このような表には出ないロスがある。

そのロス分を限りなく少なく出来る技術・ノウハウを開発できれば、
既存施設で現在の1.5倍程度の発電は可能なのである。

さらに、本来、使う方の努力で省エネ率を高めることができる。
現在の1.5倍の省エネ効率を出すことは日本の技術であれば充分に可能。
省エネ補助金等、省エネ予算をしっかりと取れば充分可能。

原発に出すお金があるくらいならば、充分に可能。


さて、何が言いたいか???

日本全体が必要とする電力くらい、
燃費を改善して既存設備で充分に賄えるのである。

作る方の発電効率を1.5倍にして、かつ、
使う方の省エネ効率を1.5倍にすれば、
1.5×1.5=2.25倍の電力は賄えるのである。

そして、この技術・ノウハウを世界に輸出すれば良いのである。
これこそが、日本らしいオンリーワン技術と言えるだろう。


あくまでも、原発は大量生産・大量消費のモデル。
作っては捨てるというモデル。
無駄になっても良いからドンドン作れ!というモデル。
相当、無駄が多いモデル。
欧米的・資本主義的なビジネスモデル。

それに対して、
無駄をなくし節約を促す効率重視のビジネスモデル、
作る上でも無駄なくしっかり作り、
作ったものも無駄なくしっかりと使うビジネスモデル。

日本古来の伝統的な精神、日本精神で作っていくことこそが、
世界に誇れる日本に合った最高のビジネスモデルだろう。

「日本化」でしか、日本の経済は活性化しない!

私にはそう思えて仕方がない。

2012年12月17日

VOL.342「衆院選自民党圧勝!」

すでに周知の通り、今回の衆院選は自民党の圧勝だった。
最新の情報によると、
自民党294、民主党57、日本維新の会54、公明党31、
みんなの党18、日本未来の党9、共産党8、社民党2、
国民新党1、新党大地1、無所属5とのこと。

今回の結果についての多くの方々の感想は以下の通りだろう。
1.自民が勝ったわけではない・・・
2.民主が負けたのである・・・
3.いわゆる、消去法・・・
4.とにかく、民主には裏切られた・・・
5.そして、その敗因は内部のゴタゴタ・・・
6.自民はおごらないで欲しい・・・
7.第三極乱立も良くなかった・・・
8.投票率が低かったのが残念・・・
9.一党大勝してしまう小選挙区制、このシステムは恐い・・・
10.これで日本再生!となる気はしない・・・

特に、今回、上記9の思いを抱いた方が大半なのではないか。
選ぶ方の国民以上に、選ばれる候補者の方が恐さを感じたのではないか。
そして、上記10。
結局、失敗に終わった前回の政権交代ほどの期待感がないのである。
もっと言うと、不安・・・な方が多いような気がする。

さて、今回の結果を見て私が現時点で感じることは以下の通りである。
(もちろん、上記1〜10については私も同意見であるが、
 それら以外に感じていることをお伝えする)

11.結局、国民の本当の思いは伝わっていないようだ
12.政治の膿は残ったままで、より膨れ上がるだろう
13.中央政治は一般民間人からより乖離してくる
14.資本主義的な思想(強国論の安倍氏の思想)は延命化する
15.しかし、これで(安倍政権で)その思想は最期になりそうである
16.既成概念で言う経済の活性化は達せられない
17.やはり、政治の混乱・混迷(政治と一般人の乖離)は続く
18.第三極に見たような新しい価値観がドンドン増える
19.むしろ、第三極的な思想が今後整理されてまとまってくる
20.新しい時代に向けてのスタートが切られた

今回、北朝鮮のミサイル発射問題や中国船の尖閣諸島への侵入等、
選挙直前の海外の動きはいつものようにアメリカ主導だったろうから、
それも強国論者の安倍氏をフォローしたのだろう。

上記11〜20で何を伝えたいのかと言うと、
今回の結果は次に向けてのプロセスであるということである。

上記18・19のことである。

これまで長い間、数十年間以上、
第三極的な思想、ましてや、
“脱”原発や“卒”原発のような言葉が公言されたことはなかった。

今回、それが公言された。

“脱”官僚
地域主権
生活者重視
“脱”原発
・・・・・

民主党政権以降やっと、このようなキーワードが世間に溢れるようになった。
“普通に”溢れるようになった。
今回、急に溢れたので、選ぶ方も良く分からないのである。

今後、第三極的な新しい価値観が整理されてまとまることによって、
時代は次に向けてのステップに進むのだろう。

2012年12月10日

VOL.341「環境・エネルギービジネス 現状・実態」

2012年も残すこと、あと3週間。
そこで、2012年を振り返って、
環境・エネルギービジネスの現状・実態について
私が感じるところを簡単に箇条書きで以下に示してみよう。

1.特に伸びた分野・テーマ・商品は以下の通り
(1)原発・放射能関連
(2)太陽光(再生可能エネ)
(3)LED
(4)電力デマンド制御・ピークカットシステム
(5)個別機器電力制御システム(インバ−タ)
(6)遮熱・断熱関連(塗料・フィルム)

2.しかし、マーケット全体が伸びている上記分野こそ競争過多なので、
  参入企業すべての企業が伸びているわけではない
  むしろ、苦戦気味の企業の方が多い

3.つまり、マーケットの伸び以上に競争が激しい

4.かつ、ユーザー意識が高まっているとは言え、ユーザー意識の格差が激しい
  意識が低いユーザーにとって、「環境・省エネ・・・」はどうしても二の次

5.同分野での類似技術が溢れており、ユーザーが判断に迷っている、模様眺めしている

6.補助金がイマイチ最適化されておらず、有効活用されていない

7.逆に、補助金活用の上手な企業は伸びている

8.ビジネス事業者側も商品・技術の見定めが上手くできていないようだ

9.一方で、一気に急成長している企業がある

10.良い商品だから必ず売れている・・・というわけではなく、
   良い顧客との接点を持ったところが成長している

11.異業種の中堅・大手企業からの参入がより増えている

12.いずれにせよ、マーケット・需要は全業種的に拡大する方向である

13.その中で、自社がどう勝ち残れるかが?である


上記1については、いずれも異論はないだろう。
特に、1(1)(2)(3)は素人から見ても分かりやすい。
昨年の大震災以降の政策的な意味合いも強い。
1(4)(5)(6)についても、
過去のマーケットが小さかったが、今年の需要の伸びは明らかだった。

問題は上記2・3である。
マーケット全体が伸びている分野こそ競争過多で、
参入企業すべての企業が伸びているわけではなく、
実は、むしろ、苦戦気味の企業の方が多いのである。

問い合わせ・見積もりは多いが、
なかなかクロージングできない、受注できないという例が多い。

伸びているマーケットだからと言って、
参入企業があまりにも殺到しているのである。

それは、まるで昔の小学生のサッカーのようで、
サッカーボールの行くところに小学生がワーッと寄ってたかって
蹴飛ばし合いをしている様である。
したがって、苦戦している企業の方が目立っているのである。

一方で、上記4・5。
ユーザー意識の格差が激しいのである。
間違いなく環境・省エネに関してのユーザー意識は向上しているが、
ユーザーによって意識が愕然と広がっているのである。
未だに、意識が低いユーザーにとって、
「環境・省エネ・・・」はどうしても二の次、それどころか、三の次。

意識の高いユーザーにしても、模様眺め・・・しているユーザーは多い。
LEDなどは典型で、
「もっと安くなるだろう」と価格動向を見守っているユーザーは多い。

上記6・7にもあるが、環境・エネルギービジネスは
補助金を最大限活用できるビジネスである。
その活用の差で業績が劇的に変わってくる。

実は、一番のポイントは上記10。
良い商品だから、技術的に優れているから必ず売れている・・・
というわけではないのである。
良い顧客(意識の高いユーザー)との接点を持ったところが成長しているのである。

これは、上記4・5に連動してくる。
意識の高いユーザーと接点を多く持てれば良いが、
意識の低いユーザーにいくら営業・プレゼンテーションしても難しい。

「何を売るか?」の前に「誰に売るか?」・・・
これが一番のポイントである。

いずれにせよ、上記12・13のように、
マーケットが良い悪いと言うよりも、
参入企業の戦略・戦術・戦闘によって決まっているのである。


そういう状況の中で、戦略・戦術的には以下のようなことが言える。

1.ユーザーのコスト削減を提案・実現させなければ勝ち残れない
  (3年以内回収)

2.コスト削減だけでなく、ユーザーの品質UPを提案・実現させる

3.さらには、ユーザーの生産性UP・生産効率UP・利益UPを
  提案・実現させる

4.ユーザーの啓発・教育・育成が重要
  (「何を売るか?」も大事だが、それ以上に「誰に売るか?」がより重要)

5.ユーザーが納得する無料お試し・効果測定・効果検証・効果の見える化、
  そういう仕組み作りが必須


売る商品の選定はもちろんのこと、
売り方で差別化していくことが大事なのである。

ましてや、「気合で売れ!」で売れるわけはないのである。


2012年12月 3日

VOL.340「卒原発」

滋賀県知事の嘉田氏が「日本未来の党」を旗揚げした。
すでに公表されているが、以下の6つがメインの政策とのこと。

1.原発を段階的に削減する「卒原発」
2.女性や子供が生きやすい社会を作る「活女性、子ども」
3.生活不安を取り除く「守暮らし」
4.消費増税に頼る前に、財政支出の無駄を削る「脱増税」
5.官僚依存から国民の手による行政司法を目指す「制官僚」
6.食品の安全や医療水準を守りながら品格ある外交を展開する「誇外交」

何と言っても、この中の看板政策は「卒原発」。
この「卒原発」の中身を見てみると、以下の通り。
・10年以内に原発完全廃炉
・既存原発の稼働停止、廃炉計画策定、新増設を禁止
・高速増殖炉「もんじゅ」、
 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場を即時廃止
・電気料金値上げ抑制のため交付国債を発行
・発送電分離など電力システム改革
上記4番目を除けば、私個人的には充分に納得できるものだ。

さて、本ブログでも何度も伝えているように、

「混乱こそが今の正しい時代の流れ!」
「新しく生まれ変わる為に混乱する!」
「ドンドン混乱した方が良い!」

これは私の持論だ。

今回の嘉田氏の参入によって選択肢がより幅広くなった。

つい最近発したような原発再稼動を認める失言を嘉田氏がしなければ、
おそらく、日本未来の党はある一定のシェアを獲得するだろう。
まず、女性層は取り込むだろう。
昔ながらの男たちの価値観では受け入れられないだろうが、
女性には本能的に受け入れやすい。

競争よりも共生・・・、
力強さよりも温かさ・・・、
拡大よりも均衡・・・、
急進よりも安定・・・、
直線的よりも曲線的・・・、
粒子的よりも波動的・・・、

すでに女性的感性の時代になっている。
古い男たちの感覚は葬り去られていくのである。

自民党はマスコミを総動員して勝っているかのような宣伝をしているが、
開票したらあっと驚く結果になっているかもしれない。

また、マーケティング的に言えば、
こういう混乱の時代の短期決戦には一点突破することが大事。
一昔前の「郵政民営化」ではないが、
総合的に政策を争うよりも何か1つに特化して重点的に争った方が良い。

「一点突破」
「単品特化」
「集中主義」
「絞り込み戦法」
「選択と集中」

特に、強大な力を持つ強者でなく、微力な力しかない弱者の戦略としては、
あれもこれもやるよりは一点に集中した方が良い。
短期的に勝負をするのであれば、幅を広げないことである。
「総合化」よりは「特化」である。

(まさに、ビジネスの世界でもこれらは通用する)


ただし、日本未来の党は寄り合い所帯のため、
「卒原発」以外の政策はブレブレになるだろう。
したがって、仮に一定のシェアを獲得したとしても
将来に渡って安定的に大きくなることはないと思う。
おそらく、また、分裂騒ぎをする可能性が高い。

しかし、それで良いのである。
そういうことを繰り返しながら、
新しい価値観の人たちが入れ替わり立ち替わりして、
そして、増えていくのである。

大事なことは入れ替わること。
「対流」すること。
決して、「滞留」ではいけない。


ちなみに、嘉田氏は「10年以内に原発完全廃炉」としているが、
(本ブログでも伝えているが)
私は2015〜2016年には原発ゼロ化になると予測している





■菊池 功プロフィール

          菊池 功        環境ビジネス
コンサルティングを
ゼロから立ち上げた男!



株式会社船井総合研究所
執行役員
環境ビジネスコンサルティンググループ 部長
菊池 功(きくち いさお)

■株式会社船井総合研究所
 TEL:03-6212-2934
 FAX:03-6212-2943
 Mail:eco-webnet@eco-webnet.com



<出版書籍>
2011年12月16日発売!
『中小企業は「省エネ・節電ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!

『50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!』
50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!

『中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!


●船井総合研究所
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