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2013年5月27日

VOL.362「電力自由化の動き」

今回は、「電力自由化」の動きを少し紹介しよう。

日本で電力自由化がスタートされたのは2000年。
それまでは、東京電力・中部電力・関西電力等の
いわゆる、電力会社10社(法的には一般電気事業者と呼ぶ)が独占していた。
それが、2000年からは
契約電力2000kw以上の大型事業所(特別高圧契約)については
従来の電力会社(一般電気事業者)以外の認定業者のどこからでも
電力を買って良いことになった。
次いで、その枠が2004年には契約電力500kwクラスの中堅レベルまで、
2005年からは契約電力50kwクラスの中小事業所レベルまで広がった。

なので、実は、今でも契約電力50kw以上の事業所では、
法的には電力自由化になっている。
(契約電力50kwはコンビニエンスストアくらいの事業規模)

また、今後、2015年をメドに地域間融通が出来るような仕組み
(「広域系統運用機関」)も作られる。
今は、例えば、東北と関東の電力融通は、
東電や東北電力の従来の電力会社(一般電気事業者)に委ねられていて、
実質、地域間の電力融通は難しくなっている。

そして、2016年には一般家庭の自由化が予定されている。
この状態が、いわゆる、「完全自由化」だ。

その後、2018〜2020年頃には「料金規制の撤廃」、
つまり、家庭用電気料金についても自由料金となり、
消費者からすれば、
各電力会社の料金メニューを見比べて選択できるようになる。
さらに、この段階では、電力会社は発電部門と送電部門を切り離して、
送電の別会社を作るようになっていく。
いわゆる、「発送電分離」である。

ところで、
この「電力自由化」の流れの中で成長してきたのが「新電力会社」(PPS)。
新電力会社(PPS)は東電・中電・関電といった従来の電力会社
(一般電気事業者)の代わりに電力を販売できる認定事業者である。
50kw以上の事業所は法的には自由化なので、
この新電力会社(PPS)の電力を買うことが出来る。

現在、新電力会社は50数社あるが、
その中で国内NO1の電力供給量を誇るのが株式会社エネット。
NTTファシリティーズや東京ガス・大阪ガスの共同出資会社で、
年商は1600億円、そのシェアは新電力会社の中で断トツの50%超、
顧客件数14000件超と圧倒的一番だ。
自らも発電所を持つ一方、
大阪ガスや東京ガスが持つ発電所やその他の民間発電所、
合計100箇所以上から電力を仕入れて販売している。
その価格は顧客との相対で決めているが(自由化なので)、
東電・中電・関電よりも数%程度安く販売している。

実は、このエネットを含めて
新電力会社のシェアはまだ数%程度しかない。
新電力会社はあくまでも電力の販売会社で、いわゆる、卸売業。
従来の電力会社(一般電気事業者)以外の民間の発電会社から
電力を仕入れて販売している。

需要はある(新電力会社から買いたい事業所は多い)のだが、
新電力会社は仕入できる電力が完全に不足しているのである。
まさに、「需要」>>「供給」で、
需要に供給が追い付いていない状態である。

ちなみに、
よくマスコミ等で出てくる日本原子力発電(日本原電)や電源開発は、
東電・中電・関電等の従来の電力会社(一般電気事業者)に
電力を供給している発電会社である。

以上のように、
これから数年間で法的に完全自由化の流れが整理されていき、
その後、異業種企業からの参入が増えてくると思われる。

それは、例えば、東京ガス・大阪ガス、大手鉄鋼会社、
そして、ソフトバンク等だろう。


※なお、6月1日(土)には
 (株)エネット様を迎えて「電力自由化の流れ」に関する
 環境・エネルギービジネス勉強会があります。
 興味ある方は参加頂ければと思います。

 http://www.eco-webnet.com/study/detail.html?sid=295

 問い合わせ先:(株)船井総合研究所 馬道(ウマミチ) 
           TEL 03−6212−2931
           m-umamichi@funaisoken.co.jp


2013年5月20日

VOL.361「アベノミクス効果 その後 続編」

前回ブログでは、
2013年1〜3月に見られたアベノミクス効果について、
経産省が出しているデータを基にお伝えした。
(月別小売業販売額・月別卸売業販売額・月別鉱工業出荷額)


そこで、今回はその続編として、
鉱工業(製造業)部門を改めて見ていく。

以下は、前回同様、経産省が出しているデータで、
2013年3月の「業種別出荷額前年対比」の数値である。
業種別に前年対比が伸びている順に並べてみた。

電気機械工業       105% 
電子部品・デバイス工業 105%
窯業・土石製品工業   101%
金属製品工業       100%
化学工業          100%
石油・石炭製品工業    99%
繊維工業           99%
鉄鋼業             98%
非鉄金属工業        95%
一般機械工業        94%
輸送機械工業        90%
精密機械工業        84%
情報通信機械工業     73%

鉱工業総計          96%


鉱工業総計は96%と前年を割っている。
要するに、製造業全体は伸びておらず、
前年割れを起こしているのである。

上記より、一番伸び率が高かったのは電気機械工業。
この中でも更に細分化してみると、
制御装置分野が110%と断トツで良く、
この制御装置が牽引しているのが分かる。

次に伸び率が良いのは電子部品・デバイス工業。
この中では電子部品が110%と好調だった一方で、
半導体素子は87%と低迷している。

食料品工業は堅調だが、それでも101%。
食料品の中では清涼飲料と酒類が好調で101〜103%、
逆に、野菜・果実類は悪く94%。

前年対比で良かったもう1つの業種、
窯業・土石製品工業では
ファインセラミックが109%、セメント製品が108%と
この分野が業界をリードしている。

金属製品工業の中では
建築用金属製品が突出して115%となっており、
先ほどのセメント製品が伸びているのを合わせて考えると、
公共工事系の需要喚起を受けたようだ。

意外に思うのが輸送機械工業で、前年対比は何と90%。
実は前年よりもダウンしている。

マスコミ等ではトヨタ等の大手気動車メーカーの
華々しい業績が発表されているにも関わらず、
輸送機械工業全体では落ちているのである。

この1つの理由は、
孫請け以下の3〜6次下請け中小零細工場が
細っているからである。

今に始まったことではないが、
コストダウン要求により相当圧迫されている。
それと、もう1つ。
親会社が業務を広げて自社化・内製化してきて
子会社・孫会社、及び、その下請けの領域が
奪われていることも原因である。
ほんの一握りの大手メーカーの裏側には
そういう中小が多々存在しているということを
認識しておかなければいけない。

一番厳しい結果が出ているのは情報通信機械工業の73%。
その中でも、特に悪かったのは
民生用電子機械・通信機械で51〜67%だったようだ。


以上、改めて見ても、
普段、マスコミ等から出される情報にはやはり偏りがあるようだ。

アベノミクスの基本の流れは、
「円高修正」⇒
「円安誘導」⇒
「輸出企業の収益回復」⇒
「設備投資増大」⇒
「雇用・賃金の改善」⇒
「景気回復」

円安になり、輸出企業(大企業)の収益は改善されているが、
とにかく、上記3番目の「設備投資増大(国内)」には至っていない。

ましてや、「雇用・賃金の改善」には遠い。

私は、この流れが円滑に行って、
「雇用・賃金の改善」⇒「景気回復」
になることはないと思っている。

むしろ、
「気が付いたら格差拡大がより進んでいた・・・」
となると思っている。

日経平均にしろ、大手企業の業績にしろ、
要するに、それらの指標は一部の企業の話。
一部の側面。
それだけ見たら、それはそれで良く見えるだろう。

これから3〜6ヵ月後には、
「格差拡大!」・・・・・
というワードが登場してくるのではないか、
そう感じる。


本ブログの読者もしっかりとした見極めをして頂きたいと思う。


2013年5月13日

VOL.360「アベノミクス効果 その後」

日経平均株価 1万4000円台回復!
東証1部上場の3月期決算の純利益は前期比32・9%増!
トヨタ、グループ連結営業利益1.3兆円!前年対比3.7倍!
景気は良くなった!日本経済は上向き!

と、マスコミは景況感を煽っている。

さて、アベノミクス、その後の実態はどうだろうか?

私は、太平洋戦争当時、戦況は決して良くないのに、
「勝った!勝った!」と連呼していた
旧日本軍の大本営の発表のように思えて仕方がない。


そこで、今回、
経産省が発表している数字を改めて見てみよう。

1.月間小売業販売額の前年対比

         大型小売店  コンビニ   小売業全体
2012年10月  97.6%  102.2%   98.8%
2012年11月 101.6%  101.9%  100.9%
2012年12月 102.3%  103.0%  100.2%
2013年1月   97.1%  104.2%   98.9%
2013年2月   97.1%   99.3%   97.8%
2013年3月  103.5%  105.1%   99.7%

これだけを見ると、
むしろ、野田政権時の方が前年対比が良くて、
安倍政権になってもほとんど伸びていないのが分かる。

特に、コンビニの2013年2月は前年対比100%を切っている。
過去3年間で前年対比を切ったことはないことを考えると、
むしろ、2月はコンビニ不況?だったことが分かる。

(2013年3月の大型店は前年対比が良い数字だが、
 確かに、3月の一般消費は伸びたようだ)


2.月間卸売業販売額の前年対比
2012年10月  98.2%
2013年11月  98.4%
2013年12月  97.5%
2013年1月  100.1%
2013年2月   98.7%
2013年3月   98.5%

卸売業界全体でも1月こそ前年対比が辛うじてクリアしているが、
ほとんど伸びていない。


3.鉱工業(製造業)出荷額四半期毎の前年対比
          鉱工業全体
2012年7〜9月   96%
2012年10〜12月 93%
2013年1〜3月   95%


製造業においても、安倍政権になったからと言って、
急に製造業全体が活況になっているわけではない。


4.業種別に見た鉱工業(製造業)出荷額四半期毎の前年対比
(1)製造業137分類のうち前年対比が101%の業種の数
2012年7〜9月   36業種
2012年10〜12月 27業種
2013年1〜3月   47業種

確かに、業種別に見れば、
2013年1〜3月は前年対比が良い業種の数は増えているようだ。

でも、前年対比が良くなっている業種が増えているとしても、
「137分の47」、つまり、30%程度の業種でしか、
前年対比が伸びていない。

(2)2013年1〜3月で前年対比が105%以上の主な業種
・建設用金属製品・化学機械・運搬機械
・金属加工機械・電気機械工業・ファインセラミックス
・合成ゴム・パルプ
・食料品・清涼飲料・楽器・文具

(3)2013年1〜3月で前年対比が85%以下の業種
・半導体製造装置・産業用ロボット・金属工作機械
・配線・照明用器具・電気計測器
・情報通信機械工業・通信機械・民生用電子機械・情報化関連消費財

建設や運輸、飲料・食品系、ファインセラミックやゴムの素材系は多少良くて、
やはり、半導体・電気・通信関連は厳しい状況だったようだ。

特に、半導体・電気・通信関連は前年対比50〜85%で、
かなりの悪化状況だった。


さて、以上を通じて言えることは、
現段階では経済・景気全体の底上げには全くなっていないということだ。


元々、アベノミクスの狙いは、
「円高修正」⇒
「円安誘導」⇒
「輸出企業の収益回復」⇒
「設備投資増大」⇒
「雇用・賃金の改善」⇒
「景気回復」

しかし、この中の4つ目の「設備投資増大」が進んでいない。

これは工場現場に行けば良く分かる。
リーマンショックが深く心に刻まれて、
恐くてなかなか新たな国内投資が出来ていないのである。

既存設備の改修・補修はするが、
出来る限り、古い設備を活かそうと考えているのだ。
(逆に、小さな改修・補修ニーズは増大)

ましてや、国内雇用を増やして賃金を上げようという製造業は
多くは存在しない。
確かに、一部の業種で稼動が増えて3〜4月の残業代は増えていたが、
社員を一気に増やそうという雰囲気は全くない。

ここ2〜3ヶ月間で残業代や一時金を得た人は結構いるので、
それを3〜4月の“臨時消費”に回していた感じはある。


ところで、為替が1円動くだけで、
トヨタは300〜400億円の営業利益が動くとのこと。

とても恐い話だ。

「円安効果で営業利益○兆円!」と聞いて、
「羨ましい!」と心底思う人は本当にいるのだろうか???

「為替(=金融操作)だけでそんなにブレて大変だな!」
と思う方が普通ではないだろうか。

為替や株や相場頼りのビジネスではどうしても不安定。
現場レベルの細かな努力、汗を書いた日々の努力、
そういうものが一発で吹っ飛ぶ恐さがある。

アベノミクスとはそういうものに依存しようとする政策。
金融操作=マネーゲームに依存しようとする政策。

アベノミクスを上手く活用する一方で、
地力をしっかりと付けていかなければ、
それだけで一発で吹っ飛ばされてしまう。

出来る限り、
為替・株・相場に依存しないビジネスモデルを実現しなければ、
本当の勝利は得られないように思える。

2013年5月 6日

VOL.359「根本にあるもの」

個人的な話で恐縮だが、
今年のゴールデンウィークはとてもゆっくり出来た。

(本ブログでも過去何度か取り上げているが)
私は、ほぼ毎週1回、10kmくらいジョギングをしていて、
ゴールデンウィークでもその時間が取れて走ることが出来た。

私は都心に近い横浜に住んでいるのだが、
市街地ではないので、結構、緑地に恵まれているエリアである。

自宅から1分歩いただけのところには、
「せせらぎ公園」という公園があり、
その公園を貫くように約10kmにも渡って
両側が木々に囲まれた遊歩道が続いている。
その遊歩道こそ私のジョギングルート。

遊歩道なので自動車は一切通らない。
舗装されたアスファルト道路もある一方で、
舗装もされていない土の道や砂利道のところもある。
山道のように曲がりくねっていたり、坂道も多い。

5月のこの時期には
遊歩道の両側の木々の緑が成長して生い茂り、
両側の木々の緑が手を結ぶように繋がる。
そして、その緑色がとても濃くなる。
それはまさに「緑のトンネル」ようだ。

木々が生い茂っている為、
日陰も多く直射日光を受けないので、
光のエネルギーを間接的に穏やかに受け取ることが出来る。

また、途中にはひょうたん池のような池があり、
その池では鯉やら鴨やら亀が優雅にゆったりと泳いでいる。
今の時期ならば、
おたまじゃくしやザリガニもいる。
小魚も多い。
池面には蓮の花が咲いている。
種々の小鳥もさえずり合う、鳩もいる、
早朝にはやまどりが独特の鳴き声で鳴く。

桜の時期には、
満開の桜が池面に実に綺麗に映える。
近くに竹林もあり、
今の時期には筍がニョキニョキ生えている。

草の香り・・・
そよ風が頬にあたる・・・
土の温もり・・・
小鳥のさえずり・・・
青々とした木々の彩り・・・

のんびりとした、穏やかな時間が流れる・・・

(田舎では当たり前の光景であるが、
都心に住むものにとっては貴重な環境だ)

光を感じ・・・、
風を感じ・・・、
木々を感じ・・・、
小鳥のさえずりを感じ・・・、
草花の色を感じ・・・、
土のにおいを感じ・・・、
水を感じ・・・、

ここでは、都心にいながら、
自然界のエネルギーを体で感じることができる。

私は茨城県の常陸太田市という田舎の街で生まれたせいか、
自然に囲まれた環境をこよなく愛する方である。


人間は、あくまでも自然界の一部であり、自然界に従属する身。

もちろん、ビジネスや仕事はガンガンにやるが、
同時に、

自然界のありがたさを感じ取れる人間、
自然界の鼓動を察知できる感性を持った人間、

そんな人間でありたいと思っている。


青空が広がり、
太陽があり、
柔らかな雲も見え、
心地よい風も吹く、
・・・・・

「ありがたい・・・」

そんな当たり前のこと、
ごくごく当たり前のように目の前にある自然界の存在に対して、

私は深く感謝の念を持つ。
畏敬の念を持つ。
「ありがたさ」を深く感じるのである。

なので、ビジネスをする上では、出来る限り、
自然界に対して無理のない、
エネルギー浪費の少ないモデルを追及していきたい。

私が環境・エネルギービジネスのコンサルティングをしているのは、
そのような根本的な思想から来るものである。





■菊池 功プロフィール

          菊池 功        環境ビジネス
コンサルティングを
ゼロから立ち上げた男!



株式会社船井総合研究所
執行役員
環境ビジネスコンサルティンググループ 部長
菊池 功(きくち いさお)

■株式会社船井総合研究所
 TEL:03-6212-2934
 FAX:03-6212-2943
 Mail:eco-webnet@eco-webnet.com



<出版書籍>
2011年12月16日発売!
『中小企業は「省エネ・節電ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!

『50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!』
50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!

『中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!


●船井総合研究所
コンサルティングメニュー






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