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2013年6月24日

VOL.366「環境・エネルギー業界における新製品開発」

「ウチは○○業界のメーカーですが、
この業界のマーケットは成熟しているので伸びシロがありません。
そこで、環境・エネルギー業界における新製品開発を考えています。
でも、ウチは環境・エネルギー業界の見識を持ち合わせていないので、
なかなか上手い具合に進まないのです」

「ウチは長年△△を製造してきたメーカーで
国内シェアではトップ3に入っています。
今のままでも利益は出ますが、
中長期的にはジリ貧になるのは目に見えています。
今後の成長分野として
環境・エネルギー業界での新製品開発を考えています」

以上は、私の元に相談に来られるメーカーの
新規事業担当者の声の一例である。

明確に「□□を売りたいがどうしたら良いか?」
というマーケティング的な相談も多いが、このように
メーカーとして何か新規商品を作りたいという開発相談も結構多い。

中には、名立たる上場企業クラスの大手メーカーもいる。

そこで、今回は環境・エネルギー業界での新製品開発に関して、
私が感じていることを以下に示したい。

1.新規開発担当者として環境・エネルギー業界を調べてはいるが、
  現場レベルでの本当の顧客ニーズ・マーケットニーズを
  把握できていないケースが圧倒的
2.結局、以下の情報源しか持てていない
  ・新聞、雑誌等のマスコミ ・WEB ・展示会 
  ・社内情報 ・社外情報であっても一握りの人脈
3.結果的に暗中模索状態である 
4.顧客ニーズ・マーケットニーズを掴んでいても差別化策が見当たらない
5.実は、過去、異業界マーケットへの新規参入の経験はあまりない

だから、船井総研のようなコンサルティング会社へ
相談に来て頂けるのであるが、
私は以下のように考えている。

1.現場レベルでの本当の顧客ニーズ・マーケットニーズを把握する為には
  新聞・雑誌等のマスコミやWEBや展示会等の情報源では話にならない 
2.やはり顧客現場に足を運び、生の情報を得なければいけない
3.仮に現場レベルでの本当の顧客ニーズを把握した場合、大手と言えども、
  ゼロから自社ノウハウだけ、自社技術だけの延長線上では難しい
4.技術提携と販売提携できる優良なパートナーが必須
5.技術パートナーはベンチャー系開発企業も含めて検討すべき

要は、現場レベルでの本当の顧客ニーズ・マーケットニーズと
そのニーズを解決できるベンチャー系開発企業の情報を掴むことである。

環境・エネルギー業界での本当の顧客ニーズ・マーケットニーズとして
有望なものは以下の通り。
(あくもでも、これは一例であり、他にもある)

●燃料の燃焼効率UP・燃焼スピードUP
●廃熱対策・放熱対策・吸熱対策・廃熱再利用
●発電効率UP・送電効率UP・蓄電効率UP
●省電力新素材・節電新素材
●排水浄化・排水汚泥削減・排水リサイクル
●配水管スケール対策(ノンケミカル方式)
●廃プラスチック減容・廃プラスチック有価化・廃プラスチック再利用
●etc

共通のテーマは「環境コストの低減」。
「環境コスト」とは電気・燃料・水等のエネルギーコスト、
ゴミ等の廃棄物コスト、環境維持する為の清掃・修繕コスト、etcである。

実は、船井総研会員企業様の中にも、
上記の顧客ニーズ・マーケットニーズを
業界別・業種別・設備別に解決できる技術を持つベンチャー系企業はある。
日本には、荒削りだが技術的に優秀な技術系企業が多々ある。

そのような企業の技術と融合して新製品開発を目指すことが
有効な手段である。
もちろん、しっかりと吟味できる目を養うことが前提だが。

しかし、実は、意外にしっかりと見定めている例は少ないようである。


いつの時代でもどんな業界でもそうであるが、
他社との連携・提携の仕方で成否が決まると言っても過言ではないだろう。


2013年6月17日

VOL.365「環境ビジネスの現状と未来」

先々週、愛知県のある環境ビジネスセミナーに招かれて
「環境ビジネスの現状と未来」〜リアルな成功・失敗事例から学ぶ〜
というタイトルの講演をした。

参加者の大半は環境・水処理関係の企業だが、
中には全くの異業種の企業や大学生なども参加していたようだ。

今回はその時の講演内容を少しだけ紹介しよう。

1.2015年までは「経済性(エコノミー)優先時代」で
  2016年からは「環境性(エコロジー)優先時代」と考えて良い

2.「経済性(エコノミー)優先時代」とは
  いくら環境に良くても、
  価格が高ければ売れないし、ビジネスにはならない時代であり、
  価格が安ければ、環境に悪くても売れてビジネスになる時代である

3.逆に、環境性(エコロジー)優先時代」とは
  多少、価格が高くても、環境に良ければ売れるしビジネスになる時代で、
  価格が安くても、環境に悪ければ売れずビジネスにはならない時代である

4.今は2013年だから、まだまだ経済性(エコノミー)優先時代
  その時に「地球に良いこと」マーケットを狙ってはいけない
  「地球に優しい!」ではなく、「企業に優しい!」方が売れる
  「企業に優しい!」とは「コストが安い!」ということ
  したがって、狙うのは
  「コスト削減・省コスト」マーケットでなければいけない

5.そう考えると、環境ビジネスとは、
  「環境コストを安くできる商品・設備・システム・サービスを
  製造・販売・メンテナンスするビジネス」と言える
  つまり、「環境ビジネス=コスト削減ビジネス」なのである
  ちなみに、ここで言う環境コストとは、
  電力費やガス費のようなエネルギー関連費はもちろん、
  廃棄物費用や設備機器のメンテナンス費用も含む
  ※当日のセミナーでは、
   「コスト削減ビジネスの事例(成功事例と失敗事例」を
   複数件取り上げて紹介した

6.そして、2020年からは「環境性(エコロジー)前提時代」となるだろう
  その時には「エコロジーが当たり前!エコロジーでないと恥ずかしい!
  それを前提としてどんなビジネスをするか? 」
  そういう価値観がより広まっていくだろう

7.そして、その時は「対策ではなく予防の時代」ともなるだろう
  ※対策ではどうしても後手になるイメージであるが、
   予防とはそうならないように仕組みやビジネスモデルを変えることである


やはり、今、環境に良い技術やエネルギー対策に有効な技術は多々ある。
しかし、導入した場合のコストバランス(投資回収)が合わないものが多い。
それでは絶対に売れないし買えない。
しかし、2016〜2020年を過ぎていく頃から、
大きな価値観の変換が進みそうだ。

以上、そのような内容をセミナー時の講演として話をさせて頂いた。

セミナー参加者も多く400人を越えたらしいが、
参加された方々はとても熱心な方が多く、
自らのビジネスと対比して聞いていたようだった。


2013年6月10日

VOL.364「タイ視察」

昨日までの3日間、タイのバンコクへ視察に行ってきた。
今回は、そのタイ視察の報告をしよう。

まずはタイの基本データを以下に示す。
人口:6400万人
面積:日本の約1.6倍
在留邦人:約7万人(短期滞在者含む)
在日タイ日系企業数:約7000社
日系メーカー:80%以上が黒字化

上記にあるように、結構、日系メーカーは黒字化比率が高い。
その他ではこんな特徴がある。

・反日感情がなく親日派
・国王制の元に政治が安定
・仏教徒が多数を占め民族・宗教的な対立がない
・タイ人は温和で従順
・文化や考え方が日本人に似ている

このように、日系企業にとっては非常に入りやすい土壌を持った国である。

それと、南国高温で水が豊かで、平野が多く土地も豊かである為、
特別な贅沢さえしなければ充分に食べて行ける・・・、
ということで「豊かな国」と言えるようだ。
したがって、国民性はのんびりしている。

日系メーカーは2010年10月頃から新規進出が激増したようで、
それは、中国から生産地をタイに移管する企業が増えてきたことが
要因の1つ(中国リスクからの脱却)。
最近では、メーカーだけではなく、
販売・サービス業の進出も増えているようだ。

さて、2日目には日系メーカーが多数進出している工業団地を訪ねた。
それはバンコクから23kmのサムットプラクン県にある
「バンコクフリートレードゾーン」と呼ばれる関税優遇(無税)エリア。
ちなみに、「フリーゾ−ン」特典として、
関税免除や消費税が無税であったり、
現地法人設立の時の細かな優遇が多々あるとのこと。

その工業団地の中のパナソニック100%子会社の工場に訪問した。
そこは自動車部品の加工がメイン。
1年前に進出したばかりで、
建屋のうち有効に活用されているのは3割程度。
建屋の7割程度は今後導入予定の設備を設置するとのことで、
まだまだ空スペースであった。

聞いてみると、
従業員の平均給与は日給換算で1000円程度で、
大学新卒の初任給ならば7〜8万円程度。
電気料金の単価は15円/kwh程度、
水道料金単価は50円/kwh程度なので、
電気代は日本とほぼ同額か、むしろ、高いくらい、
水道料金はさすがに安いようだ。
建屋は賃借で家賃は700円/月・?だった。

そのパナソニックの工場の近くに、
日本の中小独立系企業資本の縫製工場もあった。
そこを訪ねて聞いてみると、
日本人社長が対応してくれていろいろな話をしてくれた。

社長曰く、
これまでは中国の上海や大連に進出していたが、
今後の生産はタイに移管していくとのこと。

「この10年間で上海の人件費は10倍。
 でも、タイは2倍程度、
 今後、もちろん、タイの人件費ももっと上がるかもしれないが
 10倍にはならない」と言っていた。

ちなみに、最近、上海の工場で罰金を受けたらしい。
それは、「非常階段が付いていないから・・・」とのこと。
設立当時の法規制ではそんな規制はなく、
国から急にそのようなお達しが来たらしく、
市に相談してみると「改造はNG!」との回答。

国からは「非常階段を付けなければ罰金450万円!」、
市からは「改造したら罰金450万円!」。

何と、非常階段を付けても・・・、付けなくても・・・、
罰金。しかも、同額。
どうやら、国と市が完全にデキていて、
日系企業からの資金(罰金)を捻出する為の工作だったらしい。

「中国はこういうことを組織的にやってくるからお手上げ・・・」
「巻き上げた資金は最終的には上層部へ渡って
 習金平(党のトップ)まで行くシステムだ」
と言っていた。

もっとも、タイでもその手の話はあるらしいが、
額が数万円程度で終わると言う。

と言う具合に、まあ、なにやら生々しい話も聞けた。

なお、この工業団地、
全体としては、まだ、開発率が20%とのこと。
要は、買い手も借り手も不足していて、
誘致が思うほど進んでいないようなのだ。


今後も日系企業のタイ進出は進むのだろうが、
実態を見ていると、すぐに爆発的に伸びる・・・
というわけではなさそうだ。

2013年6月 3日

VOL.363「環境メーカーが新規販路開拓する為の効果的手法」

先週の土曜日、船井総研主催で「環境ビジネス発見塾」という
定期勉強会・ビジネス交流会を行った。
その時にも取り上げたテーマであるが、
環境メーカー、特に、大手ではなく、
中小企業が新規販路開拓する時の
最も効果的な手法を1つだけお伝えしよう。

もちろん、1つだけ紹介してもそれだけで完全ではない。
だが、新規の問い合わせを増やす方法として一番効果のある手法なので、
今回はそれに特化してお話したい。

例えば、「OOの製品を売りたい!」とか、
「△△の設備を売りたい!」とか、
何か単一の商品・機器・設備を売りたい場合、
しかも、出来れば全国に売りたい場合についてお伝えしよう。

まずは、以下のサイトを見て頂きたい。

http://akamizu-akasabi.com/

サイトの名前が「赤水・赤錆対策.COM」。

今回、伝えたいのは、
「会社紹介のホームページ」を作るのではなく、
「顧客の課題解決を提案するホームページ」を作れ!
ということである。

このサイトをパッと一見しただけでは
どこの会社のホームページであるか分からない。

良く見ていくと、「運営会社」というバナーがグローバルナビゲーション
(上部の右端)にあって、そこをクリックすると初めて会社名が分かる。

ただ、赤水や赤錆対策の情報が掲載されているサイトであることは分かる。
「赤水・赤錆対策の情報サイト」と言える。

次に、以下のサイトも見て頂きたい。

http://saikenma.com/

サイト名は「再研磨.COM」。

先ほどと同様、このサイトをパッと一見しただけでは
どこの会社のホームページであるか分からない。

ただ、ドリル等の刃物や切削工具の再研磨や改造についての情報が
掲載されていることは分かる。
「切削工具の再研磨・再生・改造の情報サイト」と言えるだろう。
(かなりマニアックだが・・・)

いずれのサイトも、
「ソリューションサイト」とか「テーマ別ポータルサイト」と
我々が呼んでいるものである。

それは、「会社のホームページ」ではなく、
「あるテーマに特化したお客様の課題を解決する情報サイト」
という意味である。

あからさまに最初から自社の売り込みをするのではなく、
ましてや、強引に商品の売り込みをするのでもない。

大手メーカーや有名ブランドの商品を売るのであれば、
そのメーカー名やブランド名を全面に出してサイトを作るべきだが、
社名も無名、商品も良く知られていない中小企業の場合は、
このようなある一定のテーマで
第三者的に情報サイトを作っていった方が検索されやすい。

実際、前者の場合、ヤフーやグーグルで「赤錆」と検索すると
トップランクに先ほどのサイトが順位付けされる。
また、後者の場合、「再研磨」で検索すると、
同様にトップランクに順位付けされる。

要するに、中小企業があるワードで確実に上位で検索される為には、
このような作り方をした方が良いのである。
検索上位に来れば来るほど、
閲覧されるようになりアクセスも増えて、
その結果、問い合わせが増えるのである。

「小さくても、あるテーマで一番!」
「小さくても、ニッチでも、得意なテーマで一番!」

そういう考え方のサイトである。

中小企業の場合、
贅沢に人は雇えない、営業所も多拠点は構えられない。
あるテーマでの専門のホームページを作るということは、
専門営業所を全国に作るようなものである。

これならば、数十万円以下で充分に作れる。

今回、ご紹介したサイトはいずれも船井総研のクライアント企業様。
いずれの経営者もとても優秀な方で、
我々の考え方に賛同して頂いている。
今後とも新規の引き合いは増えていくと思われる。

是非、参考にして頂きたい。





■菊池 功プロフィール

          菊池 功        環境ビジネス
コンサルティングを
ゼロから立ち上げた男!



株式会社船井総合研究所
執行役員
環境ビジネスコンサルティンググループ 部長
菊池 功(きくち いさお)

■株式会社船井総合研究所
 TEL:03-6212-2934
 FAX:03-6212-2943
 Mail:eco-webnet@eco-webnet.com



<出版書籍>
2011年12月16日発売!
『中小企業は「省エネ・節電ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!

『50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!』
50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!

『中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!』
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