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2013年10月28日

VOL.383「メガソーラービジネスの実態」

先日、第二地方銀行協会様から依頼を受けて講演をした。
その内容は
「再生可能エネルギー固定価格買取制度ビジネス 
 事業見極めのポイント」
であった。
太陽光の事業系(住宅系は除く)ビジネスにおいて
「銀行として、事業性の見極めと融資判断をどうすべきなのか?」
というものである。
本ブログでは、その講演の一部を少し紹介しておこう。

まずは、以下のデータを見て頂きたい(単位:件)。

          10kw未満 10kw〜1Mw 1Mw以上  合計
認定件数    374,180 140,610   2,780   517,570
発電開始件数 300,930  43,383     313   344,626
発電開始割合     80%     31%    11%      67%

これは、再生可能エネルギー固定価格買取制度で太陽光設備認定を受けた件数と
そのうち発電開始された件数の表である(2013年6月現在)。

認定件数で言えば、合計50万件を超えている。
その中で、住宅を中心とした10kw未満の案件で
全体件数の約70%占めていることが分かる。
で、その10kw未満は
発電開始割合80%とほぼ順調に発電が開始されているようである。

しかし、10kwを超えて1Mw(メガワット)クラスになると、
まだ31%の割合で留まっているようである。
さらに、1Mw以上、いわゆる、メガソーラークラスになると、
発電されているのは11%しかないようだ。
要するに、メガソーラークラスは認定されていても
発電開始=事業開始しているのは1割程度だと言うのである。

次に、以下のデータを見て頂きたい。
これは発電容量の表である(単位:Mw)。
上表は件数で下表は容量なので、間違わないで欲しい。

         10kw未満 10kw〜1Mw 1Mw以上   合計
認定容量    1,632    6,568   13,186  21,387
発電開始容量 1,378    1,562      557   3,499
発電開始割合   84%     24%       4%    16%

認定容量を見ると、
全体の60%は1Mw以上(メガソーラー)であることが分かる。
( =13,186/21,387)
で、そのメガソーラークラスの発電開始割合は何とわずか4%しかない。
その結果、全体の発電開始割合が16%と低飛行なことも分かるだろう。

以上により、改めて以下のようなことが言える。

・太陽光の設備認定は総合計50万件を超えている
・そのうちの70%は10kw未満(ほぼ住宅用)である
・10kw未満の発電は順調で件数比率で80%、
 容量比率で84%が発電開始されている
・しかし、メガソーラークラスは件数比率で11%、
 容量比率で4%しか発電開始されていない
・設備認定の容量で言えば、
 メガソーラーが全体の60%を占めていることで、
 発電開始されているのは全体トータルしても16%だけである

このようにメガソーラークラスが遅れている理由は、もちろん、
住宅用とは違い案件が大型だけに開発に時間が掛かるのであるが、
それにしても遅れている。
その理由は以下の通りと考えられる。

1.当初の計画以上に、機器の調達が遅れてしまった
2.資金の手当が出来ておらず進んでいない
3.土地契約で暗礁に乗り上げている
4.最初から自社開発する気はなく、
  認定の権利を売る目的だった(売り時を待っている)

上記1は時間が解決してくれる問題でもあるので良いとして、
実際は上記2や3が多い。

特に2。
認定さえ取れば、銀行融資も受けれるだろうと思っていたら大間違いで、
現在の金融機関の大半は、結局、
事業性融資(プロジェクトファイナンス)ではなく、
企業性融資(コーポレイトファイナンス)。
いくら事業性が良くても担保力のない企業には融資出来ていないのである。

次に、上記3。
これも意外に多い。
土地を借りる契約で設備認定を受けていたが、
実は地権者が何人もいて、
そのうちの一部の地権者の同意を得れていなかったとか、
実は抵当権に入っていたとか、
あるいは、開発行為自体が出来ない土地だったとか、
そのような不動産トラブルになっているケースである。
もうこうなると、
エネルギービジネスと言うよりは立派な不動産ビジネスなのである。
そのような不動産ノウハウが欠如して設備認定を取っているケースが多いのである。

以上のようなことを考えると、
自社開発できずに転売せざるを得ない案件も出てきて、
(1年以上前から私は本ブログでお伝えしているが)
M&Aビジネスや権利ビジネス、ファンドビジネスが
これから目に見えて増えていくのは間違いないだろう。

そして、改めて見てみると、
現時点で未だ発電されていないものは1万メガワット以上。
1メガワット当たり約3億円の資金は動くので、
総計ではこれから3兆円の資金が動く計算だ。

自社開発するのか?売買するのか?
あるいは、開発し切れないかもしれない、

いずれにせよ、その潜在マーケットは推定3兆円にも上るのである。

2013年10月21日

VOL.382「成功のセオリー」

私が本ブログを始めたのは2006年10月24日。
したがって、スタートしてほぼ丸7年経過していることになる。
もちろん、その時は、今ほど
「環境だ!」とか、「エネルギーだ!」とか、「節電だ!」とか、
ましてや、
「脱原発だ!」とか、「再生可能エネルギーだ!」とか、
言われていなかった時代だ。

本ブログを始めて以降、私は基本的に週に1回更新している。
「しっかりと書き続けるには毎日は無理!週に1回くらいだろう。
でも、やるからには確実に続けよう!」
と思って始めたものだ。

以下は記念の?第一号ブログ↓
http://www.eco-webnet.com/kikuchi/2006/10/post_132.html

ブログ件数は本日付で382回。
ブログを書くのは週始めの朝イチと決めて実行している。
その間、正月や盆休み以外は、
ほぼパーフェクトに週1回ペース、かつ、週始めの朝イチペースが続いている。

また、環境ビジネス専門情報サイト「環境ビジネス.com」を運営しているが、
それを立ち上げたのは2001年12月。
そのサイトを立ち上げて以来、
週間メルマガを途切れることなくずっと配信している。
継続してほぼ丸12年間。

いずれも内容的にそれほどレベルが高いわけではないが、
とにかく継続している。
自分で「やる!」と決めたことなので、
それはしっかりとやり切って、しっかりと地道に継続させている。

ブログとか、メルマガとか、
それは小さなことで些細なことだろう。
まあ、地味なものでもある。

でも、とにかく私は続けている。
「自分でやろう!」と思って決めたことだから・・・。


おそらく、本ブログを読んで頂いている方々も
数多くのテーマに対していろいろな計画や目標を決めていると思う。
定数的・定量的な目標もあれば、定性的な目標もあるだろう。
そして、継続的に行動していると思う。

しかし、中には、なかなか継続出来ていない人もいるかもしれない。
こっちは継続出来ているが、別なものは尻切れトンボで中途半端・・・、
そういうものもあるだろう。

いろいろな理由があり、原因があって、
尻切れトンボで中途半端・・・が起こってしまうものだ。

でも、やはり、自分で決めたこと、自分で心に決めたこと、
それはしっかりと継続させたいものだ。
継続させて、しっかりとやり切りたい。

でも、そんな分かり切ったことがなかなか出来ない人がいる。
なかなか出来ないことがある。

それは、ビジネスに限らず、例えば、
禁煙であったり、食事制限や飲酒制限であったり、
適度な運動であったりと、
「体の為にもOOはやろう!」と心に誓ったものとか、
そういう普段の日常生活や身の回りのことにも当てはまる。

ちなみに、私は毎週日曜日10km程度のジョギングを継続している。
年間50週はあるので、年間で約500kmの計算だ。
それを始めてから5年くらいになるが、
ほぼそのペースを継続させている。


自分で決めたこと、
自らが心に決めたこと、

それはしっかりと継続させたいからだ。
小さなことでも良いから、地道に続けたいからだ。

それを愚直にやり切り、かつ、やり続けること、
それが出来る・出来ないで、結局は大きな差が出来てしまうと思っている。

大きな背伸びを無理してやるのではなく、
目の前の小さな一歩を小まめに進めて、
それを地道にやり切り、そして、続けること、

そんな簡単なことがとても大事だと、私は思う。

短期的、促成的な伸びではなく、
中長期的、熟成的な成長の方が良いと思う。

長いビジネス生活をしていると、調子が良い時もある。
上手く行かず悪い時もある。

体が軽快で気分良い時もある。
逆に、風邪とかが長引いて体調を崩す時もある。

あるいは、

気の合わない人がいて、
その人が気になってしまって、
わだかまりを引きずる時もある。

上手く行くこと、
逆に、失態を犯してクレームが起きること、

季節で言えば、真夏のむし暑い時もあるし、
秋の過ごしやすい時もある。
もちろん、真冬で寒い時もある。

いろいろなことが起こる。
いろいろな事情があるだろう。
いろいろな境遇に遭遇する。

でも、、、

自分で決めたこと、
自らが心に決めたこと、

それはやり切って欲しいと思う。
諦めずに継続して欲しいと思う。

もちろん、途中での柔軟な軌道修正は必要!


頑張るとか、頑張らないとかではなく、
自分で決めたこと、
自らが心に決めたこと、

それを“普通にやる”だけだ!
“自分の為に”やるだけだ!

粘って粘って粘って・・・、
やり切って・・・、
そして、継続させたいものだ!

続けよう!

1歩進んで2歩後退したら、また、もう1歩進み直したら良いのだ!

そうすれば、成功に近付く!
失敗とは言わない!

それが、「成功のセオリー」である。

2013年10月15日

VOL.381「消費税増税!データで見るその影響度」

前回ブログに引き続き、消費税増税の影響度を考えてみよう。

前回ブログでは、
過去2回の増税時(3%・5%)の前後の状況を比較したが、
それを下記に改めて整理する。
                  3%導入時       5%導入時
                  (1989年)       (1997年) 
1.小売業販売額前年対比
・増税前            105〜110%     100〜105%
  ↓                  ↓           ↓
・増税後            直後はダウンだが、  3年間以上95%
                 すぐ持ち直し
                 105〜110%

2.住宅新築着工数前年対比
・増税前           120〜130%      110%
  ↓                 ↓            ↓
・増税後           約1年間は80%     約2年間70〜80%
            
3.乗用車新規登録数前年対比
・増税前           105〜110%      105〜110%
  ↓                 ↓               ↓
・増税後           物品税廃止の為、    約2年間80〜90%
                逆に減税となり、
                約1年間130%

4.消費者物価指数の前年対比
・増税前→増税後     約2.5%増        約2.8%増

5.鉱工業生産指数の前年対比
・増税前           105〜110%      100〜105%
  ↓                 ↓              ↓
・増税後           約1年間105%     約1年間105%


上記を改めてコメントで再要約すると以下の通りになる。

小売関連マーケットは総じて落ちた。
しかも、高単価商品ほど、あるいは、増税前の伸び率が少ない商品ほど、
その減少率は大きくなった。
その減少率は90%台ならば良い方で、70%台になる時もあった。
かつ、減少率が大きい商品ほど、
1年⇒2年⇒3年・・・と減少期間が長くなる傾向があった。
それに対して、
工業関連マーケットは増税前後での影響が小売関連ほどではなかった。
それ以上に、為替や原油等燃料価格の影響の方が大きかったようだ。


さて、過去のことはこれくらいにして、現在はどういう状況かと言うと、

記録のある直近のデータを見てみると、

8月の小売販売額       :前年対比101%、
9月の自動車新車販売台数 :前年対比91%、
8月の住宅新築着工件数  :前年対比109%、
直近8月の鉱工業出荷額  :前年対比100.4%

と、あまり伸びておらず、増税前の需要としてはとても寂しい。
もちろん、これから駆け込み需要で増えていくだろうが、
1989年(消費税3%導入)当時の勢いは全くない。

したがって、このような数字を見れば見るほど、
来年4月の増税以降の景気状況は確実に落ち込む。
特に、住宅新築マーケットや自動車新車マーケットは前年対比80%程度になり、
一般小売販売マーケット全体としても2年間以上は伸びていかない可能性が高い。
マーケット縮小となることは確定的と言えそうだ。
なので、その後も増税されて消費税10%!・・・と、
そういう論議になる雰囲気にはならないだろう。

ただし、全体が縮小しても、もちろん、伸びていくマーケットは存在する。
例えば、リユース事業・リサイクル事業であり、
リペア(修理)事業・リノベ−ション事業である。
全体が縮小する中で、
逆に、新しい事業の台頭はより目立つようになるだろう。
そういう考え方をすれば、ビジネスチャンスは転がっていると言える。

また、鉱工業関連についてだが、
為替や燃料価格の影響の方が高いので、
小売マーケット等に比べると消費税の影響は比較的少ない。
むしろ、来年は円高基調で、かつ、燃料価格増になるだろうから、
その対策の方が大事である。

一方、東京オリンピック誘致もあり、
首都圏を中心とした公共工事は間違いなく増えるので、
首都圏の土木・建築関連は活況だろうが、
その分のシワ寄せが地方に影響して、
地方の停滞感は増長されてしまうだろう。

企業経営としては、
全体マーケットが縮小する中での
小さな成長分野を探し当てる力量がますます問われてくると言える。


2013年10月 7日

VOL.380「消費税増税!その影響を考える」

周知の通り、来年4月に消費税増税が本決定した。
そこで、今回は消費税増税の影響度を考えてみたい。

その為にまずは、過去2回行われた消費税増税時の動向を見てみよう。
その2回とは、1989年の4月に3%消費税が導入された時と
3%から5%に引き上げられた1997年4月である。

調べた項目としては、

・小売業販売額の推移
・住宅新築着工件数の推移
・乗用車新規登録数の推移
・消費者物価指数の推移
・鉱工業生産指数の推移


1.小売業販売額の推移

3%導入時の1989年はまさにバブル期、したがって、
その増税前はずっと小売販売額が前年対比105〜110%程度で伸びていた。
そして、増税後5ヶ月間は減少に転じたが、
6ヵ月後以降は再び前年対比105〜110%の増加となった。
一方、5%導入時の1997年では、
増税前の小売販売額は100〜105%程度で推移し、
増税後はほぼ3年以上95%前後と前年対比ダウンが続いた。
つまり、3%導入時にはすぐに小売マーケットは立ち直ったが、
5%導入時には3年以上も低迷が続いたのである。


2.住宅新築着工件数の推移

3%導入時では、増税前は前年対比120〜130%、
増税後は80%と減少傾向が1年間くらい続いていた。
一方、5%導入時には、駆け込み需要でも増税前が110%程度しかなく、
増税後は何と70%台にまで低減し約2年間も前年対比減少が続き、
かなり低迷していた。


3.乗用車新規登録数の推移

3%導入時も5%導入時でも、
増税前は105〜110%程度の駆け込み需要があり同様に伸びていた。
しかし、増税後の推移は全く異なる。
3%時は増税後も1年間以上130%程度、
さらに1年過ぎても110%程度の伸びを記録している。
これは当時まで掛かっていた物品税が廃止されて、
消費税が導入されても、差し引きの結果として減税になったからである。
しかし、5%導入時ではすぐ80〜90%と減退し、
その減少傾向が2年間くらい続いた。


4.消費者物価指数の推移

3%導入時には増税前後で2.5%程度、
5%導入時の増税前後では2.8%程度、
いずれも物価指数が上がった。
やはり当たり前だが、増税後には確実に物価は上がる。


5.鉱工業生産指数の推移

鉱工業指数は上記4項目とは少し違った推移であった。
3%導入時、及び、5%導入時の増税前は
それぞれ前年対比105〜110%、100〜105%程度であった。
増税後でも、実は鉱工業業指数は減少しておらず、
いずれの時期も約1年間は105%程度で推移していた。
つまり、上記4項目のような増税前後での減少傾向は
あまり見られなかったのである。
ちなみに、5%導入時には携帯電話需要が急増して
情報通信機器や電子機器業界が爆発的に伸びたのがその要因の1つだった。
ただ、その後、アジア市場の急落もあり、
1年後には100%を切って95%前後が2年間も続いた。


さて、改めて、過去2回分の消費税増税前後の推移を整理してみよう。

小売関連マーケットは落ちた。
しかも、高単価商品ほど、あるいは、増税前の伸び率が少ない商品ほど、
その減少率は大きくなった。
90%台ならば良い方で、70%台になる時もあった。
かつ、その減少期間が1年⇒2年⇒3年・・・と長くなる傾向があった。
一方、工業関連マーケットは増税前後での影響が小売関連ほどではなかった。
それ以上に、業界を爆発的に牽引できるヒット商品が出るかどうか、
あるいは、海外市場や為替等の影響の方が大きかったようだ。

以上、これらの考察と前回ブログ
http://www.eco-webnet.com/kikuchi/2013/09/post_499.html
の内容を踏まえながら、来年の消費税増税の影響度を私なりにお伝えしよう。

<次回に続く・・・>






■菊池 功プロフィール

          菊池 功        環境ビジネス
コンサルティングを
ゼロから立ち上げた男!



株式会社船井総合研究所
執行役員
環境ビジネスコンサルティンググループ 部長
菊池 功(きくち いさお)

■株式会社船井総合研究所
 TEL:03-6212-2934
 FAX:03-6212-2943
 Mail:eco-webnet@eco-webnet.com



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●船井総合研究所
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