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2014年7月28日

VOL.420「新電力(PPS)ビジネス その収益構造」

前回、前々回に引き続き、
新電力(PPS)ビジネスについてお伝えしよう。

経営者からよく質問を受けるのであるが、
新電力(PPS)事業の収益構造・経費構造について
今回は簡単に説明しよう。

まず、収入であるが、言うまでもなく売電である。
現在の新電力の多くの販売先は一般事業所。
食品スーパーやドラッグストア等の店舗・商業施設や
アミューズメント施設、一般のビルや事務所、中小の工場、
それに、行政や自治体関連施設等々。
もちろん、家庭を含む契約電力50kw未満の低圧契約事業所とは
2016年からしか契約出来ないので、
契約電力50kw以上の高圧契約の事業所で、
かつ、大型事業所というよりは
契約電力が300kw未満の中小事業所が多い。
このように販売先として中小の細かな事業所を数多く持つことが
事業の安定化に繋がる。
(ちなみに、業界最大手の(株)エネットは
14,000件以上の中小事業所に電力を供給している)
これら中小の事業所に対して、
通常、東電や関電等の電力会社よりも
1〜5%程度安く販売する。
(平均2〜3%程度)

さて次に、一般の方には分かりにくい支出の構造を説明しよう。
大別すると、以下の通り。
1.電力の調達費
2.託送費
3.インバランス費
4.管理費

上記1を再分類すると以下になる。
(1)自社発電所での調達
(2)他社発電所(ガス火力発電所等)からの仕入
(3)民間大型工場のコージェネ発電施設からの仕入
(4)自治体のごみ焼却炉の発電施設からの仕入れ
(5)再生可能エネルギー発電施設(固定価格買取制度)からの仕入
(6)電力卸取引所からの仕入
(7)他の新電力からの仕入
(8)その他

上記(1)がベストであるが、自社発電所を持つ新電力は少ない。
したがって、安定的に電力調達するには、
(2)〜(4)をベース電源として持つことが必要である。
ただし、実際には(6)(7)に依存している新電力は多い。
(5)については、これから増えていきそうである。

次に、上記2であるが、これは送電線の使用料である。
東電や関電等の電力会社に支払うもので、
電力会社との協議に基づく。

さて、上記3であるが、
これから新電力事業を考える企業が最も気にするものだろう。
新電力の使命として、
需要家(電力ユーザー)への電力供給に支障をきたさないように、
供給電力に不足が生じると
電力会社が代わりに電力を補給することになっており、
その対価として新電力が電力会社に支払うペナルティ料金である。
30分毎に電力供給と電力調達が同時同量達成できない場合に
支払う契約だ。
「新規参入企業がそんなことを本当にできるのか?」と、
新電力に新規参入を考える企業が不安に思うのは当然である。
そこで必須なのは、上記(6)(7)である。
それと、それを管理するシステム。
これらを整えることでインバランス対応が可能になる。

そう思うと、実は収益のポイントになるのは上記4である。
4のコストの大半を占めるのは前述した管理システム費である。
仕入の電力量と販売の電力量、
そして、そのバランスが取れているかどうか、
更にはそれを管理・報告するまで
トータルの管理が出来るシステムもある。
このような管理システムを提供してくれるシステム会社も
複数存在している。
このシステム費用、“普通に”交渉すると相当な高値だ。
“普通に”と言ったのは、交渉の仕方により
価格差が生じているのが実態であるからである。
一方、このような管理を業務代行してくれる会社もある。
そういう代行会社を選ぶのも1つの方法だろう。
いずれにせよ、
管理をどうしていくかが収益構造のポイントの1つである。

※新電力(PPS)事業への参入に関して、
 個別相談を受け付けております。
 お気軽にお問い合わせ下さい。
 http://www.eco-webnet.com/business.html
 お電話によるお問い合わせはこちら
 :03-6212-2934 (担当:馬道)


2014年7月22日

VOL.419「新電力(PPS)ビジネス最前線 その2」

前回に引き続き、新電力(PPS)ビジネス最前線をお伝えしよう。

今、新電力(PPS)の電力販売に占めるシェアは4〜5%で、
先月6月末時点での新電力登録数は274社。
ただし、実際に事業を開始しているのはその約30%程度。
登録自体は簡単で企業規模に関係なくできるので
これまで登録数だけが急増した。
「本当の事業開始は2〜3年後に検討しよう、
とりあえず、登録だけやっておこう・・・」
そういう企業が多かった。
ただし、今後は規制が強化される見通しなので、
事業意志のないもの、事業性が薄いものは却下されていくか、
登録できたとしても事業開始できない企業は
抹消されてしまうかもしれない。
なので、当たり前の話だが、
今後はより事業性の見極めが必須となってくるだろう。

さて、新電力(PPS)の実際の事業性だが、
残念ながら、“今は”
資本力のある大手企業か業歴の長い老舗企業にしか
ビジネスチャンスはないだろう。
エネット、Fパワー、丸紅、JX日鉱日石エネルギー、・・・、
これらの企業が新電力事業の上位ランク企業で、
いずれも業歴の長い老舗企業でもあり、資本力に恵まれた企業。
今後はこれらにプラスされて、
本命の東京ガス・大阪ガス、
オリックスやソフトバンク等の大手新興勢力も加わってくる。
上位シェアを狙うには資本力が勝負となる。
数年後には大手同士の競争も激しくなるだろう。

では、中小企業はどういう戦略を考えれば良いであろうか。
事業規模●●●億円!とか、国内シェア●●%!とか、
売上規模だけを目指すのであれば、大手に勝ち目はない。
売上規模競争を目指してはいけない。
地域密着でやって行ける方向性を模索するしかない。

成功するポイントは2つ。
1つは顧客基盤を持つこと。
2つ目は本業との相乗効果を狙うこと、セット販売をすること。

例えば、大手であっても、
ガス会社はガス料金とのセット割引、
通信会社は携帯電話とのセット割引、
ネット通信会社はネット料金との割引セット、
そういうセット料金を作ってくるのは明らか。

中小企業でも、例えば、
中小の賃貸マンション管理会社は家賃とのセットが出来るだろう。
同様に、省エネ機器等を販売する中小企業にもチャンスがある。
省エネ設備を売る時に電力販売と結び付ければ良い。
例えば、見える化設備を無料で供給して
電力販売とセットで売っていくビジネスでも良い。
携帯電話の端末を無料で売って
通信料で稼ぐビジネスモデルと同様である。
このような提案をするには
本業で顧客に入り込んでいることが大事である。

一般消費者ではなくとも、
普段の本業で、病院や介護施設、店舗・商業施設、一般事務所、
分譲マンション、あるいは、諸々の公共施設等に入り込んでいれば、
ビジネスチャンスはある。
自社でそういうネットワークがない企業は、
上記のネットワークを持つ企業とタイアップすることである。
地域特化で上記のネットワークを構築するのである。

新電力(PPS)ビジネスは
資本力のある大手企業が相当なシェアを取るだろう。
しかし、それで100%になるわけではない。
新電力全体の20%程度は地域中小企業が勝ち取れるだろう。
それには、地域で顧客基盤を持つことと
本業とのセット販売をすることがポイントである。
それと、“地元自治体との共生モデル”も面白い。

地域中小企業が取り組むべきモデルについては
次回ブログでも取り上げよう。
また、新電力(PPS)事業の収益構造・経費構造についても、
次回以降にそれを少し説明しよう。

<次回以降に続く・・・>

2014年7月13日

VOL.418「新電力(PPS)ビジネス最前線」

最近、私の元には新電力(PPS)ビジネス
の相談が増えている。
相談頂く企業の大半は中小企業。
ソフトバンクやオリックス等、
大手企業が参入しているのは有名だが、
一方で、中小企業の参入意欲も高い。

そこで今回は新電力ビジネス最前線として、
そのビジネス概況に触れてみたい。

家庭向け電力販売が自由化される2016年を狙って、
異業種の電力事業への参入が広がってきているわけだが、
先月6月末時点での新電力登録数は274社。
2013年年末には126社だったことを考えると、
この6ヶ月間でほぼ倍増。
ホンダや新日鉄住金、ワタミ等の異業種大手だけでなく、
有限会社クラスの地域中小企業も登録されている。

ただし、登録したまま事業開始しない企業が増加している。
4月時点で実際に電力販売を開始したのは約30%程度。
昨年7月に新電力登録した「グローバルエナジージャパン」などは
一切の事業を行うことなく倒産。
実は、登録時に企業審査などは全く行われていないというのが実態だ。

その為、2015年4月からは新電力向けの規制が強化されるようだ。
新電力を含むすべての電気事業者に対し、
販売電力量等の供給計画の届け出などが義務づけられたり、
義務を果たさない事業者に業務改善命令を出されたり、
悪質な場合には300万円以下の罰金が科されることになる。
まあ、当たり前と言えば当たり前な話で、
経産省もやっと着手し出したようだ。

さて、異業種参入から電力販売で成功するポイントを1つお伝えしよう。

それは本業との相乗効果を作ることである。

例えば、ガス会社はガス料金とのセット割引で、
ソフトバンク等の通信会社は携帯とのセット割引で、
インターネット通信会社はネット料金との割引セット、
賃貸マンション管理会社は家賃とのセット・・・、
という具合に本業とのセット料金を始めるだろう。

省エネ設備を販売する企業もチャンスがある。
省エネ設備を売る時に電力販売と結び付ければ良い。
例えば、見える化設備を無料で供給して
電力と合わせて販売するビジネスも出て来るだろう。
携帯電話の端末を無料で売って
通信料で稼ぐビジネスモデルと同様である。

これら以外にも、
今、水面下で着手し始めているビジネスモデルはもっとある。

<次回以降に続く・・・>

2014年7月 6日

VOL.417「日本の良さ」

船井総研の社内研修の為、先日、台湾に訪問した。
現地では著名な方々の勉強会(講演会)があった。

講演して頂いたのは
台湾の総統を1988〜2000年の12年間も続けた李登輝元総統、
日本と台湾との合弁会社である日勝生加賀屋の徳光取締役、
そして、日本のJETROに当たる公的機関台湾外貿協会の張氏。

アメリカであれば大統領に当たる台湾総統だった李登輝氏は
以下のようなことを伝えてくれた。

・日清戦争後、台湾は日本に統治される時代になった
・日本の統治時代に台湾は劇的に変わった、発展した
・台湾の近代化の基本を作ってくれたのは日本
・日本人はとても良くしてくれた
・技術の素晴らしさもさることながら、日本人の心には敬服する
・真面目で勤勉で礼節を重んじ和を尊ぶ国民性は素晴らしい
・日本古来から伝わる精神文化は本当に素晴らしい
・特に、武士道に基づく考え方は世界に誇れる
・でも、現代の日本は古来の日本を忘れかけている
・日本人はもっと自信を持つべきだ
・日本は世界の国々のリーダーになれる素地がある
・日本を牽引できる指導者の出現と活躍を期待する

一方、日勝生加賀屋の徳光取締役は以下のようなことを伝えてくれた。

※「日勝生加賀屋」とは・・・
 日本の金沢にある老舗旅館の加賀屋と台湾企業の合弁会社。
 客単価4〜5万円の高級旅館を営んでいる台湾の超有名企業。
 日本式の旅館システムを全面的に取り入れて大成功している。

・台湾人、特に、高齢者は日本に対して尊敬の念を抱いている
・旅館業を営むことで、
 日本の「おもてなし」文化を台湾でも普及させたい
・ホテルと旅館は違う
・ホテルは宿泊施設、加賀屋の目指す旅館は「おもてなし」施設
・「接客」と「おもてなし」も違う
・「接客」は、文字通り、お客様を接待すること
・「おもてなし」とは長らく離れ離れになっていた自分の子供が
 実家に帰ってくるのを待ちわびる気持ちで接するイメージ
・したがって、「おもてなし」はお客様を家族と同然に思うこと
・加賀屋が提供する「おもてなし」文化は高評価を頂いている


改めて感じたが、台湾は本当に親日家が多い。
日本が統治していた1895〜1945年の50年間で
日本が台湾の近代化に力を注いでくれた!・・・と。

日本人の中には
「太平洋戦争時に侵略してしまった・・・」
と自虐的に感じている人が多いようだが、
日本の統治時代を知る台湾現地の高齢者の方々は全くの逆。
むしろ感謝している。
そして、高齢者の方ほど
日本の礼儀正しさ・精神文化・技術力を崇拝しているようだ。

過去、中国・韓国・香港やベトナム・タイ等とは
私もビジネスする機会があったが、
実は、直接、台湾とビジネスする機会はほとんどなかった。

親日家が多いと聞いてはいたが、
今回改めて、それを身を持って体感することが出来た。


ところで、本ブログでも何度か取り上げてはいるが、
私は強く思っていることがある。

これからの日本の活性化のキーワードは
「日本化」だと・・・。

その土台となるのは
上記の講演会でも触れていた内容で、
日本人が古来から持つ独特の精神文化だと・・・。
そして、日本式のビジネスモデルだと・・・。

これをより一層深めることであると・・・。

もう使い古された感のある
「グローバルスタンダード」という言葉のように
世界統一基準に合わせるだけではなく、
(もちろん、現実的にはそういう部分もあるだろう)

「日本」の追求、「日本」を見つめ直す、
「日本化」・・・こそが日本活性化のキーワードである、

私はそう強く感じる。

同様に、自分自身の活性化は
最終的に「自分」を見つめ直すことでしか出来ない、

あるいは、会社の経営活性化は
最終的に「自分の会社」を見つめ直すことでしか出来ない、

そう思っている。

他人の良いところ、他社の素晴らしいところを
吸収して貪欲に学ぶことは当然必要なこと。
しかし、他を学んでしっかりと吸収した後は、
改めて自らを見つめ直して
自ら自身で良くしていかなければいけない。





■菊池 功プロフィール

          菊池 功        環境ビジネス
コンサルティングを
ゼロから立ち上げた男!



株式会社船井総合研究所
執行役員
環境ビジネスコンサルティンググループ 部長
菊池 功(きくち いさお)

■株式会社船井総合研究所
 TEL:03-6212-2934
 FAX:03-6212-2943
 Mail:eco-webnet@eco-webnet.com



<出版書籍>
2011年12月16日発売!
『中小企業は「省エネ・節電ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!

『50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!』
50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!

『中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!』
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●船井総合研究所
コンサルティングメニュー






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