« 2016年2月 | メイン | 2016年4月 »

2016年3月27日

VOL.502「太陽光ビジネスの裏側にある活況ビジネスとは何か?」

再生可能エネルギー固定価格買取制度による
太陽光(10kw以上)の買取価格が
2016年4月から一段と下げられて
24円/kwとなったことで、
“表面的には”産業用太陽光は下火になっている。
しかし、その裏側では活況なビジネスが存在している。

それは、「太陽光の売却・買取ビジネス」である。
ここで言う売却・買取ビジネスとは
中古の太陽光パネルのことではなく、
FIT認定の権利付きのものである。

これには大きく2つある。
1つは認定を受けており、
すでに着工・完工されて
売電もしている太陽光設備。
例えば、
3億円で1メガの太陽光設備を作って
売電しているが、
短期的な資金が欲しい為に
売却したいというケースだ。
買取価格にもよるが、
すでに売電しているので
3.5億円払ってでも買いたい企業も
あるかもしれない。
あるいは、最初から売却ありきで
売却目的で建設した太陽光も実は多い。

次に、2つ目。
認定を受けているがまだ着工しておらず、
権利だけ保持しているケース。
認定を取ったまでは良いが
資金がないとか、
諸々の諸事情で着工できていないケースも多い。
こういう時には権利だけの売却になる。
これまたその認定を受けた買取価格にもよるが、
買取価格が高いものであれば、
プレミアムが付いて
高値で取引されるケースがある。

いずれにせよ、
このような太陽光の売却・買取ビジネスは
今が旬で今後も活況になる。
実は、ちょうど2年前には
本ブログでも取り上げている。
http://www.eco-webnet.com/kikuchi/2013/04/post_477.html

当初から想定されていたことである。

今、産業用太陽光で
FIT認定されてすでに売電されている設備の
市場規模は約6兆円。
そのうちの1〜5%は
このような市場に出てくると考えられるので
売却・買取ビジネスは
600〜3000億円程度にはなるだろう。

さらに、FIT認定されているが
まだ売電されていないものも含めると、
3倍の20兆円程度。
その1〜5%とすれば、
200億円〜1兆円という規模になる。
表面的には下火であるが、
今が旬であり、これからが活況になるビジネスが
太陽光ビジネスの裏側には存在する。

2016年3月21日

VOL.501「なぜ、あの新電力大手は事業撤退したのだろうか?」

周知の通りだが、
新電力大手と言われていた
日本ロジテック協同組合が新電力事業から撤退して
自己破産申請の方向で検討を進めている。
新電力関連企業や電力ユーザー(需要家)含めて
関連する方々にとっては衝撃が大きかったようだ。

日本ロジテックは2007年11月に設立されたが、
当初は外国人技能実習生を共同受入したり、
ETCコーポレートカードの割引制度を共同で利用したり、
“普通の協同組合”らしく地味に
中小企業の組合員向けの共同購入窓口であった。
それが、PPS(特定規模電気事業者)を許認可取得して、
2010年7月から一般電気事業者から
電力を一括購入することで
仕入価格を下げて組合員に電力を販売する
電力共同購買事業を開始した。
その後、急速に新電力事業を拡大して
2015年度には組合員は700を超えて
年商も約556億円程度になって
新電力会社の中では全国で5位に位置付けていた。
しかし一方で、
2015年度の負債は71億円を超えて
今では100億円を超えると言われている。

なぜ、そういう事態になったか?だが、
以下が考えられている。
・日本ロジテック共同組合に関わらず、
元々、新電力事業自体の利益率が非常に低い
・主力事業が新電力事業一本になってしまい
 その低い利益率の事業に依存し過ぎた
・販売エリアを全国に広げ過ぎて
 営業効率も位著しく落ちていった
・事業の肝である電力需給バランスが狂い出した
・急速に拡大した仕入電力の支払額と
販売した電力の販売額のバランスが
徐々に崩れていった
・発電所設立を目的とした子会社への
実質的な資金投入が多額になった
・現預金が増えずに内部留保が脆弱化していった
・内部の人員も出入りが激しくなり
 運営体制も悪くなっていった
・等々

マスコミ等では「新電力大手」と言われているが、
元々は決して大手ではなく、
むしろ中小のイチ協同組合に過ぎなかったのである。
それがあれよあれよという間に販売量が拡大してしまい、
販売拡大と共に当然ながら仕入支払いも増えて
資金繰りが追い付かなかったようだ。
元々、財務体質が脆弱だったのである。

マーケティング上でのミスで言えば、
全国に販売網を拡大し過ぎたようだ。
関東・中部・関西・中国エリアと
あまりにも元々の体力に対して
販売網を拡大し過ぎたのである。

マネジメント面で言えば、
新電力事業で最も大事な電力需給バランスを
ミスしたことと、
人材の出入りが激しくなり、
諸々の人員体制が乱れてきて
統制が取れなくなってしまったようだ。

それと、根本的には
経営トップに問題があったようだ。
「企業経営はトップで99%決まる!」
とは船井総研の創業者船井幸雄の金言だが、
数百億円を運営するほどの
トップではなかったと考えられる。

ヒトにっては、
「ほら見ろ!新電力はやはり難しい!」とか、
「危ない事業だ!」とか言う方々もいるようだが、
新電力事業云々と言うよりも、
今回は事業体の経営体質自体が弱かったようだ。

やはり、企業経営というのは
外部要因以上に「内部要因」なのである。


2016年3月13日

VOL.500「『3.11』あれから5年!福島第一原発の今」

本ブログでも再三伝えてきたが、
私は名古屋大学工学部原子核工学科を卒業した。
大学入試前に
「原子力は夢のエネルギー!」
という思いを抱いてその道に進もうと考えて
原子力の世界を勉強したのだった。
なので、普通、就職先は
電力会社や原子力関連メーカーや研究所だろう。
巡り会わせとは不思議?なもので、
今は経営コンサルタントして
環境・省エネや再生可能エネルギーの世界にいる。

さて、「3.11」から丸5年経ったところで、
今回は福島第一原発の現状について少し考えたい。

現在、敷地内では、汚染度により
赤・黄・緑の三つの区域に分けられている。
敷地の大半を占めるのは緑区域。
防塵マスクに作業服でも良い状態になった。
一方で、建屋周辺は
黄区域で防護マスク半面が義務付けられており、
建屋内など高濃度線量地域は赤区域指定で
全面防護マスクに二重の防護服が義務付けられている。

いまだ建屋内は深刻な状況だ。
福島第一原発には4つの原子炉があった。
今は4つとも外側のガレキは除去されて、
使用済燃料プールにある燃料棒については
安全な場所に移送できている。

4つのうち1〜3号機の原子炉では
事故当時には核燃料があり発電状態だった。
その3機とも結果として核燃料溶融が起こった。
そして、1号機と3号機では水素爆発。
それら核燃料は格納容器も破り、漏出して
分厚いコンクリート床をも突き抜けて
地中に留まり続けている。
もちろん、放射能は出続けている。
4号機では定期点検中で
原子炉内に核燃料がなかったが、
3号機爆発で流れ込んだ水素によって
爆発が起こった。

問題は、今でも放射能を出し続けている
地中に存在する溶融した核燃料だ。
それら溶融した核燃料を
取り出すのはほぼ不可能で、
そのままひたすら冷却し続けなればいけない。
したがって、汚染水も出続けて
減ることは絶対にない。

もっと怖いのは、
この核燃料の状況や汚染水の状況は
正確に把握できていないのである。
この把握できていないというのが一番厄介だ。
地表面上的には
線量が落ちて安全地域が増えているが、
目に見えない地中や地下水、
海岸沿いは厳しい状況が
これから数十年間も続くのである。
5年経ったから平穏無事
というわけではないのである。

2016年3月 7日

VOL.499「環境・省エネビジネス 次の時代に売れるのは?」

前回ブログでは以下の内容をお伝えした。

1.2016年度は大企業を中心に
  景気不透明感が出てくる!(出ている)
  特に、2017年4月以降は要注意!
2.したがって、顧客(特に、工場)は
  間違いなく設備投資に慎重になる!
  無駄な投資はしなくなる!
3.顧客は補助金に対する欲求がより高まる!
4.補助金の事前情報収集力と
  その活用力で大きな差が出る!
5.補助金情報を提供できない企業は
  価値を失くす!
6.顧客(特に、工場)は
  改めて経費の見直しに着手する!
7.修理コスト・メンテナンスコスト削減にも
  躍起になる!
8.生産性向上・品質向上のヒントに
  飢えてくる!
9.修理コスト・メンテナンスコスト削減に
  関心のない 省エネビジネス企業は
  相手にされにくい
10.生産性向上・品質向上のヒントが
  提供できないと顧客から喜ばれない

新興国の成長鈍化もあることから、
製造業界では全般的に
2016年度は華やかな拡大があるとは思っていない。
(防衛・航空機業界は拡大基調だろうが)
それを前提にすると、
上記1〜6について反論するヒトはいないだろう。

設備経費のうち、
実は常に一定以上の経費が掛かっているのが
上記7の修理コスト・メンテナンスコスト。
拡大基調であれば前年並みを予算化するものだが、
そうでなければ圧縮したいと思うのは当然。
ただ、実際はそう簡単には行かない。
古い設備は必ず故障するし、
メンテナンスしないと生産にも響くからだ。
コスト削減ニーズはありながら、
実際はなかなか手を出せないのである。
そこにビジネスチャンスがある。

「修理コスト・メンテナンスコストの削減ビジネス」である。

当たり前だが、省エネビジネスはエネルギー削減。
その周辺に修理コスト・メンテナンスコストの
削減ビジネスが存在する。
このマーケットがビジネスチャンスだ。

それとさらには、顧客には上記8のニーズが常にある。
生産性UP・品質UPである。
いくらLEDにして省エネしたと言っても、
今の時代、照度がガタ落ちしたら
そんなLEDは売れない。
むしろ、より明るくなる(品質が上がる)
ようなLEDでないと売れにくくなる。
省エネは当たり前で、
かつ、品質が良くなることが必須になる。
逆に、生産性UP・品質UPを全面に出して、
かつ、省エネ!と訴えた方が
今後、省エネ商品は売れていくだろう。

言い方を換えると、
生産性UP・品質UPにならない
省エネはドンドン廃り、
生産性UP・品質UP効果が大きい
省エネはドンドン拡大されていくだろう。

「生産性UP・品質UPビジネス」だ。

環境・省エネビジネスも
完全に次の時代のフェーズに入っている。





■菊池 功プロフィール

          菊池 功        環境ビジネス
コンサルティングを
ゼロから立ち上げた男!



株式会社船井総合研究所
執行役員
環境ビジネスコンサルティンググループ 部長
菊池 功(きくち いさお)

■株式会社船井総合研究所
 TEL:03-6212-2934
 FAX:03-6212-2943
 Mail:eco-webnet@eco-webnet.com



<出版書籍>
2011年12月16日発売!
『中小企業は「省エネ・節電ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!

『50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!』
50兆円市場を狙え! 新規事業は「環境ビジネス」で仕掛けなさい!

『中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!』
中小企業は「環境ビジネス」で儲けなさい!


●船井総合研究所
コンサルティングメニュー






【オススメブログ】



オフィシャルサイトはこちらからどうぞ 株式会社船井総合研究所


ブログランキング【くつろぐ】
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 環境ブログ 環境ビジネスへ

■過去の日記